高齢者の介護となると必ず付きまとうのが、その方の「最後」です。
特別養護老人ホーム等では終の棲家となっており、最後は病院か、施設かの二択が多いのが現状です。
私が特別養護老人ホームで勤務していた時に亡くなられた方で看護師が言った一言が悔しくて鮮明に覚えています。何を言われたのか紹介します。
死ぬのは当たり前だけど
ある日の夜勤の事です。私が担当しているのは2階だったのですが、朝方に窓から1階を見ると、いつも明かりが消えているナースステーションに明かりが。
すぐ内線で連絡が来て、1階の入居者が急変したとの事。人手が足りないので私が1階に降りて手伝う事になりました。
急変と聞いてはいましたが、実際は手遅れ状態。
死後硬直も始まっており、心配停止はしてるものの、他の職員が心臓マッサージを行っていました。
何故発見が遅れたのかと言うと、その方は自立している方で、普段決まった時間に起きてくるはずなのに、起きなかったので様子を見に行ったらすでに亡くなられている状態だったとの事でした。
救急搬送されましたが、死亡確認の連絡がすぐに入りました。
目の前で人が亡くなるという事実がこんなにも近くにあるのだと改めて責任感と怖いという気持ちが沸き起こったのを覚えています。
その後は暗い気持ちのまま夜勤の業務を終え、自分の部署で色々考えていると、私より少し年上の看護師が来て一言。
看護師「大丈夫。死ぬのなんて当たり前なんだから。慣れるって。」
と、笑いながら話しをしていました。
病院勤務をしていた看護師だった事もあり、多分目の前で死ぬ人を何人も見てきたのでしょう。
看護師「いちいち人の死を悲しんでいては、この先やっていけないよ?」
とも言っていました。
多分励ましや、気にするなと言いたかったのでしょう。
ただ、私にはその言葉が物凄く軽薄に感じてしまいました。
私「死ぬのは当たり前なのかもしれないけど、慣れるってのは違うんじゃない?この先介護続けてて、人の死を目の当たりする事はあるけど、俺は絶対に慣れたりなんかしない!一人一人の死にちゃんと向き合うから!あんたみたく軽薄な人にはならない!」
と心の中だけで呟きました。言葉にしてしまうと色々と問題になりますからね。
<最後に>
死についての価値観は人それぞれなので、これだと言うのはないです。ただ、普段から入居者の事を考えて仕事をしているのであれば、亡くなった時に、それが当たり前とは思わないような介護をしていく必要があると思います。