看護師不足と転職に関する意識調査 看護師不足を感じる職員が9割、人手不足が要因で辞めたい・転職したいと感じる看護師が6割弱

看護師は人気の職業である一方で、看護師になって早々に辞めたいと思う方も少なくないようです。

その要因の一つに看護師不足から来る労働環境の悪化等がよくあげられます。

看護師の不足という点で行くと、2017年の日本看護協会の調査によると、看護職員に関して不足・やや不足があると回答した割合が75%以上という結果が出ております。

そこで、今回は改めて病院に勤務する看護師の方に看護師不足を感じるかどうか、また、看護師不足により看護師を辞めたいと感じるか、転職したいと感じるかなどの意識調査を行いました。

現在勤務する病院で看護師が不足していると感じますか?

勤務する病院で看護師が不足していると感じるか?

はい:91%
いいえ:9%

現在勤務する病院で看護師不足を感じる職員は9割以上にものぼりました。
実際に年々看護師の需要に対して供給が追い付かない状況は続いており、2025年には6万人~27万人近い看護師が不足するというデータが厚生労働省より発表されており、看護師不足はますます深刻化していきそうです。

看護師不足が原因で今勤務する病院を辞めて転職したいと思うことはありますか?もしくは看護師そのものを辞めたいと思っていますか?

看護師不足が原因で転職したいと思うか?

人手不足が要因で看護師そのものを辞めたいと思う:8.6%
人手不足が要因で転職したいと思うことがある:54.8%
人手不足が要因で転職したいと思うことはない:36.6%

看護師不足が要因で転職したい、もしくは看護師そのものを辞めたいと感じる方が合わせて6割以上となりました。

「責任感を持ってやっているものの自分自身が潰れてしまいそう」、「インシデントを起こしてしまいそうで怖い」と感じている方もいらっしゃいます。

一方で人手不足で辛いと感じていても転職等をしようと思わない方は、
「人手不足でも工夫してうまく仕事を回せている」
「一定のスキルを身につけるまでは頑張ると決めている」
「これ以上人が少なくなると迷惑がかかって辞められない」
「生活のことを考えるとやめられない」
「結局どこも看護師不足だから」

といったものがありました。

いずれにせよ、人の命に関わる仕事をしていることもあり仕事に対する責任感は共通して高く、それ故に辞めたいと感じる人もいれば続けるという人もおり、同じ選択肢でも感じていることは様々でした。

また、看護師そのものを辞めたいと思う方は少なく、仕事そのものにはやりがいを感じている方が大半でした。

勤務する病院では看護師不足が解消される見込みがありそうと感じますか?

看護師不足は解消しそうだと感じるか?

はい:11%
いいえ:89%

これに関しては解消しそうにないと感じている方が大半です。

病院側が積極的に募集をかけているようだが全然人が来ないことを把握している職員も多く、人が充足することは無いと感じている人も多くいました。

1つ目の設問で「いいえ(人手不足を感じない)」の方。現在お勤めの病院を辞めたいと感じることはありますか?

現在勤める病院を辞めたいと感じる看護師の割合

はい:22%
いいえ:78%

人手不足ではない病院に勤務している方はあまり辞めたいと感じない傾向です。

人手不足でないにも関わらず辞めたいと感じている方の意見として、

「先輩、同僚との人間関係が悪い」
「病院の組織体制に疑問」

等が上がりましたが、人間関係に関するものが多く上がっておりました。

人手不足でも人間関係が良好であれば皆で頑張れると感じている方も多いのですが、人手不足から来るイライラで人間関係が悪くなる傾向もあるようでした。

看護師不足は続くが全ての病院が働きにくいわけではない

看護師の需要に対して供給が追い付かないことはあらゆる調査から明らかになっていることですが、そのような中でも、勤務する病院は働きやすい、看護師不足は感じるが仕事はうまく進められている、と回答している方もいらっしゃいます。

転職を促すわけではありませんが、求人先病院の探し方によっては現在の状況を改善できる職場を見つけることも可能であると考えられます。

それは人手不足とか人手不足ではないという問題以外にも、業務をどのように回していくのかといった全体の運営に関する事項でカバーしていることと思いますので、転職という選択肢を取ろうとお考えの看護師の方は、運営方針や取り組みまで含めたところまで情報収集を行うと良いかも知れません。

なお、本調査結果はご自由に引用していただいて構いません。
引用の際は、当ページへのリンクをつけて頂き、出典元をご記載ください。

看護師の方の声

回答頂いた看護師の方の声を一部ご紹介いたします。

<回答した看護師の方の声一覧>
患者の重症度やケア時間と看護師の人数が合わないから、ほとんど時間外での処置になってしまう。また、管理者と一般スタッフとの格差が激しく、人数の確保ではなくとにかく早く終わらせろという業務命令であり意見の違いが出ていると思う。
この先も辞めていく看護師がいますし、福利厚生と給料が高いところに移る人が後をたたない
パートの看護師ですが残業代のでない委員会活動などのノルマがあるため。人手が足りないのでサービス残業があるから。
人で不足に関しては毎年新人や中途採用者が入職してくるが、同じ数かむしろ上回るくらいの数、年度末に退職者が出ている状況です。人員不足により目の前の業務に忙殺され、自分がやりたい看護を見失い、やめたいと言っている人がとても多い状況です。私も人手が足りていれば、こんなに忙しくて気持ちが擦れてしまうことがないはずなのに、ゆっくり患者さんと向き合いたいのに、といつも思っています。ですので、転職したいと思うことがしばしばあります。
春になれば新人も入社してくるし育休だった人達も少なからず戻ってくるので人員は確保出来るかと思っています。
慢性的な人員不足で、重症の患者を見る精神的負担が大きく、転職して緊急性の低い病院に行くか、場所を変えたいと思うことがあります。新人も入ってはくるのですが、重症患者を見るには時間がかかり、他に見れる人もいないため、いつも決まった看護師が見ることになります。患者の継続的な状態を見るにはいいのですが、看護師としての負担が大きく感じてしまいます。
看護師になろうとしている人は多いけれど、田舎なので、そもそもの人口が少ないと感じる。
人手がすくなく、雑務が多い。
看護師が多いので勤務にあまり入れないため、転職をしようと考えております。
女性が多いため陰湿なイジメがあるため。
ここで頑張ると自分で決めたから
とにかく人手不足です。
看護師が不足しているせいで1人1人にかかってくる業務の負担は大きいですし、患者さんのお世話だけではなく家族への対応などもしなければいけないので忙しさに疲れてしまうことが多いです。特に家族への対応に関しては面会に来られる方が多いですし、患者さんも結構クレームをつけてくる人がいたり認知症が入っている高齢者が多かったりと精神的にも身体的にも限界を感じることがあります。そのため看護師として働くことへの楽しさや魅力を感じられないこともあるので、辞めてしまおうかと思うことも少なくありません。

それでも辞めないのは職場の人間関係がいいからなので、人間関係が悪くなったら辞めるかもしれないです。

人手不足というよりは、経年が増えるごとに仕事が増えることが理由でやめたい。
どこの病院も人手不足は問題だと思いますが、働く看護師の体調などを全く考慮しない人員で大変です。
人手不足で、管理職もいない。

また常勤が少なくパートで回しているため

パートもリーダーをしたり、ベッドコントロールをしたり責任が重大である。

看護師不足の為、皆、業務を流す事が優先してしまい簡素化した看護を行なっている。患者の為の看護ではないからです。
仕事がきつくても辞めたら生活に困る。母を早くに亡くして、父が病気で働けない為、生活費、医療費全てをまかなわないといけないため。
患者数に対して看護師の人数が少なく、業務がまわらないことが多くいつも残業している。誰かが休むと変わりに勤務できる人がいないことがほとんど。新人や途中採用の人がきても激務ですぐやめていくがなかなか人員が補充されないから。
ギリギリの人数で日々の業務をこなしているため、病欠などがでると1人にかかる負担が大きくなってしまい、それをフォローできる人もいないため、結果的に残業をすることになってしまう。
辞める人が多いので難しい
職場が楽しいため人手が少なくても自分は辞めない。
私は人手不足より人間関係の方が大事だと思いました。人手不足でも人間関係が良好ならみんなで助け合えて楽しかったし、辞めたいと思ったことはなかったけど、人手不足じゃなくても人間関係が悪いと辞めたいなとは思っていました。
日本全国で人手不足が深刻な問題だとのニュースなどをよく耳にします。

資格が必要な専門職は「報酬などの面で安定感がある」との理由で入って来た新人さんが、激務に耐えきれずすぐに辞めてしまうのが現実であります。人手不足でなくても大変な仕事なのですが、そこのところを理解していない方が多いように思います。

看護師自体の人数が減少しており、わたしのように1度現役から退いた人間が復職せざるを得ないことに、非常に危機感を覚えます。

転職して他の病院に勤めても勤務形態が変わるとは思えませんし、人手不足だとわかっていて辞める非道さもありません。

若い働き手の人口が減っていることも事実でしょうが、仕事をしていない方も多いように思うので、人手不足はこれからますます深刻化するように思います。

長々と申し訳ございませんでした。

ありがとうございました!

資格があるので辞めても無職になることはないと思うし、やはり厚待遇な条件で働きたい。体力的にギリではスキルアップのやる気が起きづらい。
働きやすい職場ではないのでやめる人が多く、堂々巡りだから。
現在勤めている病院なのですが、個人病院で新しい看護師が仮にはいつてきても、看護主任とかその他の人間関係にょり、直ぐにやめると思います

体制の改善が先かと思います。

看護師の数というよりは、固定しないことによる指導者不足が深刻だと思います。
私が看護師不足と感じる理由のひとつに、離職率の高さがあります。地域の中核病院で勤務しているので、割と多忙な環境であり残業もそれなりに多いです。朝も情報収集のため勤務開始時間の30?40分前に、リーダー業務の時には1時間前に行くことも普通にありますが前残業手当はつきません。また、新人教育にも力を入れているので、日々の仕事に加えて指導の為に残業することも多いです。そのため日勤の日にはプライベートは愚か家事さえも満足に出来ません。また、何か意見を出しても取り入れてもらえる環境ではないため、大体慣れてきた3?5年目に負担が重なり、不満が溜まり、退職する人が多いです。が、不満の現状は一向に変わりませんし、退職者が多いので有給消化率も低いです。この悪循環が変わらない限りは看護師不足は解消されないと思います。
あまり仕事が多いわけでもなく、毎日のんびり暮らせているから。
怖い先輩やうるさい先輩がいないので、ストレスが少なく長期間勤める人が多いようだが、そのせいで提供される看護の質が低い。吸引時にチューブで痰を押し込んでから吸引するようにと患者指導した看護師もいるそう。教科書レベルのことすらできていない。受け入れ先の訪問看護師と、たまたま業務外で仲良くなった時に困っていることとして相談されて知る。教育がされていない病院に勤めたくはない。
半年で20人ほど看護師が辞めていき、それを埋めるために他の部署へ派遣させられたりしたから。
病院側の経営を考えるとむやみに看護師を増やしたりせず、使えるうちは使って仕事がきつくて辞める人が出たとしても病院側としては特に去る者追わずでそういった繰り返しで現場はまわっていくのはないかと思います。
人数ギリギリで勤務が組んであるため、日々の受け持ち人数が急性期の割に多すぎで、検査や処置が幾つか重なると検温さえ全員回りきれなくなりそいになるから。
人手不足によって、病院が掲げている、7対1の看護ができていない。
現在復職して間も無く、今後の変化を見て行きたい
管理側は現場の忙しさには目を向けず、ギリギリの人員で残業時間にも圧力をかけるためサービス残業が発生していたため。
毎日多忙で定時で終わることがない。退職率が高く、人員が補充されたとしても新人や中途採用の人が多くなりベテラン層が少ないため、仕事がまわらない。
人手不足で看護師の業務が多すぎる。毎日が疲労困憊。医療事故にもつながる可能性があり怖い為。
クリニックの医師からパワハラを受けているため。
積極的に募集をかけていない。人間関係や待遇は割りといいので辞めるつもりはない。
日勤は何とかまわりそうだが、夜勤をできない人が多く、解決できそうもない。
夜勤が2交替なので体力的に厳しいです。

若いうちはいいけれど、長く続けられるか心配なので、クリニックなどに転職を考えています。

人が少なく、そのため残業になるが残業代が全部もらえるわけではない。
採用募集をかけているから
これ以上人が減ると周りに迷惑かけるから
残業が多すぎて疲労が溜まっているから。
大学病院であるため、新規入職者は4月に100人ほど入ってきて10人程度、部署ごとに配属されるが夏までに辞めてしまう人も多く

中途入職者がほぼいません。その上、ライフワークバランスもとれているとは思えない為、辞める人も多く新人育成もおざなりに

なっているのが垣間見えており、将来性を感じられなかったため辞めたいと思いました。

辞めてしまったらもっと人手が足りなくなり患者さんがじゅうぶんに診ることができないから。
多忙過ぎて疲弊している。エラーやインシデントを起こしかねない環境に危機感を覚えるため。
慢性的なマンパワー不足のせいで、病院全体で応援体制をとっている。

昼から落ち着く外来看護師が病棟に応援に行くなどの対応は、増員を視野に入れてはいないと感じる。看護の質を保障するためには、一時的な応援看護師では対応できないことも多く、結局責任を伴う業務は病棟の看護師が担う事になる。数あわせだけしても、内容は人手不足といえる。結果、慢性的に疲労が増し、精神的な圧迫につながり私は辞めた。

そのような看護師が多ければ、中堅が育たず、層が薄くなると感じた。

今現在働きやすい環境ですので辞める事はないです。
交代勤務ですが、夜勤が他の病院より多いので不足してると感じます。
看護師はたしかに足りていません。しかし、看護師自体が大変人気の職業でもないし、もっと大きな病院でも足りないと言われているくらいだから、自分が勤めている規模が小さいところではもっ人がこないとおもいます。
労働環境の整った他の病院で働きたいと日々思ってしまう。残業が少なかったり、給料が多かったり、ゆとりのある職場で働きたいと思う。他のところで働きたいと思うと退職する看護師が出てくる。退職者に対し、入職者がいないので、常時人手不足になる。
不足していて一人一人にその分負担がかかるのでとても大変です。
このまま人手不足ならば体力的に無理なので転職したいと思います。
人手は十分にあり、自分の仕事も毎月決まっていてそれ以上に増える事はありません。自分でスケジュールを組んだりする事も出来るので全く今の働き方に文句はありません。
看護師不足の原因は、看護師不足による1人に対する多重業務である。そんな中で新人ばかり雇っても、教育すらできない。中途採用を給料をあげてでも入れてるべき。
人手が足りず産休や育休に入る人がいても変わりの人がいなくて休暇が取りづらい。子供や親が病気になってもよその人の看護ばかりして家族の看護が出来ないという葛藤がある。
組織の体制に疑問を感じているため。
前の職場環境に比べると人間関係は良好であり風通しの良い職場であり、残業も少ないため、いますぐにやめようとは思いませんが、人手は圧倒的に足りないと思います。看護度より介護度のほうが現在高いため、マンパワー不足が改善されたら良いなと、思っています。
人間関係が良いのでやめたいとは思いません
子育て中の看護師は夜勤が難しいため、夜勤帯の看護師がとても不足しています。夜勤の開始時間と終了時間を決めてしまわずに、それぞれの看護師の家族が子守りに対応できる時間帯で働けるように個別に対応して頂けると、もう少し夜勤に対応できる看護師も増えると思うのですが、病院として今のところ特に何も対応をしているように思えないので、今後もすぐには看護師の不足が解消するようには感じていません。
確かに看護師不足ではありますか、それでは、何人居たら

不足が解消されのか自分自身もよく理解できていないように思います。もう少し考えると、今、現在行なっている業務をまず見直し、無駄な業務は無いのか、簡素化できることは無いのかなど見直し必要があると思っています。

看護師はなる人も多いが辞める人も多い。給料はいいと思われがちだが、一部の病院だけで、後は事務職とたいして変わらない。夜勤をしている分手当がつくだけ。結婚したら、家族の協力がないかぎり、残業や夜勤をするのが難しい。看護師として働くことにやりがいを感じない人は挫折してしまう。
労働時間を分けて(午前午後や曜日毎)職員を配置することで解消されそう
看護師は女性が多いのでどうしても結婚、出産で辞めてしまう人が多い。育児時間や時短勤務で子育て中のママナースが増える一方でその分独身者の負担が大きくなっている。また、新人を手厚く指導しているのは良いことだが、そのせいで成長がゆっくりで、なかなか育たず育った頃には結婚やらで辞めてしまうといった状態で人手不足は結局埋まらないままだから。
高齢化社会で年々患者の数が増えていっているのですが、毎日来る患者の数に対して明らかにベッドが足りていません。またそれ以上に医者と看護師と事務員の不足は深刻です。いい条件を整えることができる大病院にまず人が行ってそれから余った人を雇う感じになっていますが、年々その人数が減っていると感じます。
基準は満たしていても人が足りないと思う。ここの能力の差が大きすぎる。
残業した最に残業代を頂けるからです。
看護師不足は多かれ少なかれ、どこの病院でも抱えていると思います。時間外もさほどなく、お給料もそれなりに頂いているので、辞めようとは思いません。
訪問看護の分野でも看護士が足りておらず、時間外労働や雑務をさせられているのが現状です・・・
人手が少なくても協力して定時に終わらせることが可能だから。
負担がすごいから。
急に休んでしまう人がいると休日なのに出勤や日勤からそのまま夜勤をする事がある。
担当外の仕事までしないといけなくてきついから
公立の病院なので、このまま退職まで勤めたいです。
常時人手不足であり、その原因は労働環境や人間関係である。そこを改善しなければ、看護師の定着は困難な職場であったため。
慢性的に看護師がいないため
仕事の押し付け合いがひどくて、人手不足でギスギスしているから
この現状が続くと思うとやりきれない。
みんな辛い部署で働きたくないから、その部署への異動を打診されると『辞めます』という人が多い。結局、慢性的な人手不足で毎年3~4人の病休がでる。その悪循環が毎年続いてるのに人材補充はなく、あってもすぐにやめてしまう。人事はそれを理解していない。
看護部長が現場で本当に足りない部署を理解できていないため、人員が補充されても本当に必要なところでなく、慢性的に足りない部署はその辛さから看護師を辞めさらに人員不足に陥っているので。