看護師の転職は売り手市場 看護業界は年齢・経験問わず転職しやすい

看護師の転職マーケットは超売り手市場が続いており、看護師を求める求人は非常に多くなっています。
看護師の有効求人倍率は2018年時点で2倍~3倍程度で推移しており、一時に比べれば数値は下がっているものの依然として求人過多な状況が続いており、転職マーケットとしては超売り手市場が続いていると言えます。

看護師の求人は未経験可のものが多く、また、年齢も気にしない傾向

一般的な職種だと資格の有無よりも業務経験が重要視される傾向にあります。
ただ、看護師を採用するケースにおいては、経験を求めない傾向もあります。
※経験を評価しないわけではありません。

そのため、経験が浅いという方のみならず、ブランクがある方でも転職先は豊富にあります。

実際に採用側に確認したところ、採用にあたり経験は問わないという回答が多かったのも事実です。
特に正看護師においては未経験可の病院の求人も多く、豊富な選択肢の中から転職先を探すことができるでしょう。

ただし、未経験OKだからといって、仕事を教える環境や研修環境が整っているところばかりではありません。
総合病院であれば安心だというイメージを持つ方もいらっしゃいますが、かえって業務が多くて忙しく、
新人に教えている時間が無いといったケースもあるため、
研修制度や教える環境が整っている病院などを選定した方が良いでしょう。

転職エージェント等に相談することで、各求人先ごとの詳しい情報を取得することができるため、
一度相談してみることをおすすめします。

また、年齢に関しても看護師の転職マーケットではそれほど問題になりません。
看護師は基本的に何歳でも転職が可能です。

転職層で最も多いのが30代後半~40代となっており、転職希望者の中心は40代以降が多くなっています。

そのため、他の職種と違い年齢を気にすることなく転職活動をすることができます。

看護師の年収について

賃金構造基本統計調査のデータによると、看護師の平均年収は約480万円と年収面だけみれば他の職種と比べると高い数値が出ています。

人の生死にかかわる責任の重い業務であるため、責任や業務量を考えればもう少し高くても良いのではと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
一般的にはそれに見合った高い収入とステータスが得られる職業であると認知されています。

看護師として働くメリットとしては、資格を取得していれば転職で困ることが無いということに加え、
ライフイベント等で一時的にブランクが発生したとしても、復帰が比較的簡単であるという点と、
復帰後も一定以上の年収が見込めるところにあります。

一般的な職種ですとブランクが長かったりするとかなり給与が下がりますので、
総合的に見れば年収面ではかなり良いと感じる方が多いでしょう。

勤務先により看護師の給与は差がある

同じ看護師でも勤務際によって給与やその他の待遇に多少の差は出てきます。
同じ病院でも総合病院よりも大学病院の方が給与は高い傾向にあります。

また、同様にクリニック勤務の看護師よりも総合病院の方が給与は高めです。

規模が大きくなると夜勤もあるので、そこで差が出ているという見方もできるかもしれません。
また、高いレベルのスキルが求められる救急看護師になるとさらに給与は高めです。

病院の規模別の年収をまとめると、
救急看護師の平均年収:500万円~550万円程度
大学病院の看護師の平均年収:500万円前後
総合病院の看護師の平均年収:450万円前後
クリニックの看護師の平均年収:400万円前後

となります。

また、病院以外で勤務するケースも増えており、最近では訪問看護ステーション勤務の看護師の年収は比較的高いように感じます。
病院以外のデータがないので具体的な年収はわからないのですが、
看護師は様々な業界で求められており、他の業界での勤務が気になる方は転職エージェント等に確認しておきましょう。

看護師の転職先は病院だけではない

上記で記載したような訪問看護ステーションなど、看護師の転職先は病院だけではありません。

看護師の一般企業への転職(産業看護師)

一般企業に勤務する看護師も一部いらっしゃいます。
土日がしっかり休めるところが多いという点や仕事の責任・プレッシャーも病院と比べると低いところが多く、意外と人気の転職先の一つとなっています。
募集人数は少なく、狭き門なので転職のハードルは比較的高めですが、
しっかり対策をたてることで転職すること自体は可能です。

看護師が一般企業へ転職した際に行う業務としては、
医務室などでの社員の健康管理、生活指導などを行います。

健康志向の企業が増えていることもあり、大手企業を中心に企業内に設置されているオフィスで働くことになります。
近年は、メンタルケア・メンタルチェック等のメンタルヘルスに関連したものも多くなっています。
その他、工場等を持っている企業ではそこで働く社員の健康管理等を行います。

緊急時の対応等が求められることもありますが、病院等と比べると日々にプレッシャーは少なく、精神的・肉体的には病院勤務と比べると楽なため、転職を希望される方は一定数いらっしゃいます。

ただし、病院勤務ではなかったパソコン仕事が増えたり、企業理解は必要になり、新たに覚えなければならない仕事もあります。

もう少し具体的に一般企業での仕事内容について知りたい方は以下の記事もご参照ください。

看護師の養護施設・老人ホーム・訪問看護への転職

特別養護老人施設・老人ホーム

高齢者向けサービスでの需要も高くなっています。

こうした現場で看護師が求められるのは、介護サービス等を受けているサービス利用者の健康管理です。
高齢者のバイタルチェックや栄養管理、病院への付き添いなどを行います。

医療行為は、医師が常駐していない施設では看護師が判断を求められるケースもあります。
また、介護の現場では介護職員と連携して業務を進めるため、コミュニケーションスキルは求められるでしょう。
ただ、コミュニケーションスキルは病院でも求められるため、看護師全般に必要なスキルとなります。

訪問看護ステーションへの転職

訪問看護の求人は近年増加傾向です。
訪問看護では、サービス利用者の自宅を訪問し、健康管理、健康ケアを行います。

時間に融通が利く事業所も多く、時短勤務が可能ケースもあります。

先ほどの介護系のサービス同様、医師がいないケースが多いため、
必要に応じて看護師の判断が求められるケースがあり、一定のスキルは必要でしょう。

看護師の保育園への転職

保育園に勤務する看護師もいらっしゃいます。
主な業務内容は子供が怪我をした際の処置、子供の健康相談、子供の健康指導などがあります。

医療行為を行うことはほとんどありませんが、その分医療スキルが落ちる可能性はあります。
また、保育園は給与は低い傾向にあるため、給与を気にするケースではあまり向かない転職先となります。

その他保育士の仕事をサポートすることを求められることも多いため、子供が好きなど保育に興味がないケースではメリットが少ないかも知れません。

なお、転職に際し保育士の資格はなくても問題ありません。
看護師の資格があれば大丈夫です。

その他、大学や児童養護施設など看護師が転職できる先はたくさんあり、意外とキャリアの幅は広い資格です。

看護師の転職先は様々あり希望の働き方を実現することができる

ここでは紹介しきれていませんが、看護師が働けるフィールドはまだまだたくさんあります。
一般企業だけを見ても、本記事で紹介した産業看護師以外に、臨床開発モニターや治験関連業務など様々なものがあります。

病院以外の勤務先ですと、最近は訪問看護ステーションへの転職が比較的人気となっています。
比較的給与が高い上に、夜勤が無かったり、勤務日数を選べたりと自身が望む勤務スタイルが手にしやすいということもあり、
病院からの転職をお考えになる看護師の方も増えています。

ただ、訪問先で一人で仕事をしなければならないため、一定度の経験とスキルが求められる仕事なので決して簡単な仕事ではありません。
病院などで経験が積んだ方が転職するには良いのではないでしょうか。

看護師のキャリアフィールドは広いので、「夜勤がない環境で働きたい」「企業で働きたい」「子供が好き」などあなたの希望にマッチした転職先はきっと見つかるでしょう。

これまで病院での勤務しか考えてこなかった人も、少し選択肢の幅を広げて転職先を考えてみるのも良いと思います。

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