看護師は大きな病院で働くのが当たり前だと思っていませんか?
もちろん大きい病院で働いていると複数の科の経験が積めたり、看護研究ができたり、学会へ参加できたり、認定・専門看護師の資格を取りやすかったりと、キャリアアップに良いこともたくさんあります。
プリセプターや教育者としての経験を積むこともできるし、長く続ければ主任、副師長、師長、看護部長などなど・・・出世するかもしれません。
何か目標があって大きい病院で働き続けている人もいれば、看護師の仕事の中で自分の興味のあること楽しいことを日々探しながら仕事をしている人もいるんじゃないかと思います。
ただ、大きい病院で働いている人の中には「辞めたい。」「夜勤きつい。」「急変ばっかりでもう疲れた。」「体がぼろぼろ」などと言いながらも無理して働いているような人もいるのが現状です。
私自身、2年間大学病院で勤めて今はクリニックで働いています。
現在看護師5年目です。
もっと長く続けていたら得られたものもたくさんあったのかなとも思いますが、2年間で転職したこと、後悔はしていません。
大きな病院で学んだこともあれば、クリニックで外来看護師として働いて学んだこともたくさんあるので、それをもとに病棟の看護師と外来の看護師の仕事内容の特徴とどのような人に向いているのかを説明していきたいと思います。
病棟の看護師と外来の看護師、それぞれの仕事とキャリア特徴
初めに、比較的馴染のある病棟の看護師の仕事や特徴について見ていき、その後外来看護師の特徴について見ていきます。
病棟の看護師の仕事や特徴はもう知っている、という方は飛ばしていただいて大丈夫です。
病棟の看護師の特徴
夜勤が当たり前→夜勤手当が出る
夜勤があるのが当たり前なので、生活習慣が不規則です。
もちろんその分夜勤手当が出るのでたくさん夜勤に入りたいというような人もいますが、年を重ねるにつれて夜勤がきつくなってくるという人が多いです。
慣れれば夜勤があった方が楽だという人もいます。
自分がどのように働きたいか、しっかり考えてみる必要がありますね。
子どもが小さい人などは病棟で日勤のみで働いていていることも多いですが、夜勤をする人手が足りない場合、子どもがある程度大きくなったら夜勤をしてほしいと頼まれることも多いみたいです。
人と休みが合いづらい→平日に行動できる
カレンダー通りの休日の友人や家族との予定が合わなくなりがちです。
プライベートが全てではないけど、人と予定が合わない、人が連休で楽しそうにしているときに自分は仕事・・・というのは地味に嫌だという人も少なくありません。
その代わり、平日に休みがあるので、買い物や出かけるときに空いているので楽だという声もありますね。
受け持ち患者さんに対して看護計画を立案し、関わることができる
学生のときにたくさんレポートを書いたり看護計画を立案したりしましたよね。
その勉強した内容が活きるのはやっぱり病棟看護師だと思います。
外来だとなかなかそこまでしっかりと関わることが難しい場合が多いです。
また、患者さんに自分なりの看護ができた、患者さんの力になれた、という達成感はやっぱり病棟看護師の方が感じられるのではないかと思います。
看護技術を学ぶ機会が多い
病棟にいる患者さんは様々な医療行為を必要としている人が多いので、看護技術を実践したり、見学したりする機会が多く勉強になります。
外来だとある程度決まった看護技術ばかりしか行う機会がないので、病棟の方が短期間で経験を積めるのではないかと思います。
同期や年の近い先輩後輩がいる
病棟のときは同期と怖い先輩看護師の愚痴を言ったり仕事のことを話したりと発散することができていましたが、クリニックだと年が近い人がいないことも多いので年齢の差のある人とも仲良くなろうと多少努力する必要があります。
同期や年の近い看護師の存在って何気に大きいですよね。
同じ環境で働いている人同士でしか分からない連帯感というか・・・。仕事を頑張るエネルギーにもなります。
休み希望を出しておけば休みやすい、ただ急な休みが取りづらいときも
〇日までにシフト希望を出せばほぼ希望が通るという病棟がほとんどです。
まあ3連休などで休み希望が集中してしまった場合は通らないこともありますが・・・。
早めに予定を立てて休みを取ってその日に家族と過ごしたり、友達と遊んだり、ライブにや旅行に行ったりと趣味を満喫する人が多いみたいです。
ただ、急な休みを取りづらくあります。
前日にその日の担当患者を決めていることが多いので1人休むと担当患者の振り分けを1からしなおさないといけなくなったり、夜勤の日に熱が出たりしてどうしてもいけないとなると代わりに誰かに出てもらわないといけません。
休みと思っていたら急に夜勤というのは結構頼まれる方も仕方ないとはわかっていてもきついですよね。
定時に上がれないことが多く、業務に終わりがない→残業代で給料up
重症患者を受け持ったり緊急入院の担当になったりすると帰れないし、今日は順調だと思っていてもいつ何が起きるか分からないので、業務に終わりがありません。
ただ、残業をする分、手当がきちんと出る病院であれば残業を頑張った分、基本給+残業手当、夜勤手当などで給料がものすごく良い月があったりもします。
お給料はやっぱりモチベーションアップに繋がりますよね。
プリセプター、委員会活動、看護研究、学会参加など日常業務に+αの仕事がある
これは病院にもよりますが、新人看護師のプリセプターを担当したら自分お仕事が終わってからも指導したり手伝ったりしなければなりません。
ほかにも大きな病院では看護研究や委員会活動などが行われているところが多く、自分のスキルやキャリアアップのためには重要ですが、日々の忙しい業務にプラスして色々とやることがあると大変ではあります。
外来の看護師の特徴
日祝休みのところが多い
基本的にクリニックは日祝休みです。
大きい病院などは土日は救急外来しかあけていないので、土日祝休みというところもあります。
美容や自由診療をメインで行っているクリニックは日祝も診療していることもあります。休みの日が分かっているので予定が立てやすいです。
クリニックだと6連勤になるところが多い
病棟から転職して1番最初きつかったのは6連勤だということです。
今まで夜勤はあったけど、夜勤した後は2日休みだったり日勤もそこまで続くことは滅多になかったので慣れるまではきつかったです。
ただ慣れてしまうと生活習慣が規則正しいのでこっちのほうが私は楽でした。
これは人それぞれかもしれないですね。
給料がほぼ一定
残業もほとんどなく夜勤もないので、給料は一定です。
病棟のときみたいな給与明細を見るときのドキドキ感はありません。
売り上げやコスト削減重視するところも
クリニックなど個人の病院だとあまりに患者さんが少ないと経営に直に影響します。
自由診療を行っているところは売り上げを上げるためにSNSなどでPRしているところも多いです。また、経費削減に厳しいところも結構あるみたいです。
人間関係が病棟以上により重要
病棟にいるときは全員と関わる必要がそこまでなかったので、苦手な人がいても必要最低限関わればとくに問題なくても、外来だとそうはいきません。
規模にもよりますが看護師は数人のところが多いので、1人苦手な人がいると影響力が半端じゃないです・・・。
あとお医者さんと病棟以上に密に関わる機会が多くて、癖のあるお医者さんだと病棟で働いてるとき以上に結構大変です。
どういうお医者さんがやっている病院なのか1度行ってみて知っておいた方がいいかもしれません。
お医者さんって癖強い人多いですよね?(笑)
看護師以外の業務をすることが多い
病棟で働いているときも書類を作成したり、ナースコールが鳴って行ったら雑用を頼まれたりと看護師業務じゃない業務が多すぎる・・・と思っていましたが外来はそれ以上です。
電話を取ったり、掃除や片づけをしたり、何か壊れたら自分で直したり、在庫がなくなったら自分で業者に頼んだりと、自分たちでやらなくちゃいけないことがとっても多いです。
私はあんまり苦じゃない方なのですが、「看護師免許もっているのにこんなことしたくない。」という人もいるみたいです。
評判が重要
病棟で働いているときは少なかったですが、クレームを言う人は外来の方が断然多いです。
待ち時間のことで怒る人もいれば、どのスタッフの対応が良いだの悪いだの、結構みんなよく見ています。
なので、病棟で働いているときよりもサービス業、接客業に近い雰囲気がなんとなくあります。
評判が悪くなると本当に患者さんの数が減ったり、インターネットの口コミで書かれたりと大変なので・・・。
当番医がある
当番医は事前に日程が分かるのでいいですが、当番医がある週は休みがないというところもあるみたいなので、大変です。
代わりに平日に休みが取れればいいですが、取れないところもあるそうです。
外来の看護師ってどういう人に向いてる??外来の看護師への転職のポイント
・キャリアよりワークライフバランスを重視したい
・自分の体への負担を軽くしたい
・そこまで給料が高いことへのこだわりがない
・患者さんに対して愛想よく感じよく喋れる人
・人とあまり揉めない、職場の人との人間関係を上手くやれる人
こんな感じかな~と思います。
ただこれが全てではないですし、外来にも色々な診療科があるので、多少違いはあります。
私は外来のみのクリニックに転職してよかったと思うので、自分が今いる病院以外で働く、転職するという選択肢も視野にいれて今後の仕事のスタイルを考えることをお勧めします。
転職をお考えの方は転職サイトや転職エージェントに登録し、情報収集してみても良いかなと思います。