薬剤師をやっていて良かったこと、悪かったことは?

こんにちは、milkulmiと申します。
まず簡単に自己紹介をさせて頂きます。

2012年、薬学部が6年制となり初めての卒業生として無事に国家試験に合格。
大手の調剤薬局に就職しました。3年の勤務経験を得て、製薬会社のDIに転職しました。

その後再び調剤薬局に就職し、現在に至ります。
そんな私が感じている薬剤師をやっていて良かったこと、悪かったことをお伝えしたいと思います。

薬剤師をやっていてよかったこと

まず、薬剤師をやっていて良かったこと、それはやはり直接患者さんのお役に立てて感謝をされたり笑顔が見られることです。

一度製薬会社のDIとして勤務していた私が再び調剤薬局に転職した理由、それは患者さんの側に立ってもう一度お仕事をしたくなったからです。

製薬会社で働くことももちろん結果的には患者さんのためにはなっています。

薬の知識も得られますし医師や看護師など様々な医療従事者からの問い合わせに対応していくので対応力も身に付きます。

やりがいもあったのですが、製薬会社のDI業務は基本的にはマニュアルに沿って進めていかなければならないので自分が発言できる内容にも限りが出てきてしまいます。

臨床の場で得た自分の知識が伝えられないもどかしさ、患者さんと直接関わることが出来ないもどかしさを段々と感じてきてしまいました。

その時に、やはり自分には直接患者さんの側に立ってお仕事をするほうが向いていると思いました。

私が現在勤めている薬局は地域に密着した総合病院の門前薬局です。

乳幼児から高齢者まで様々な患者さんが来ます。患者さんは意外と伝えたいこと、悩んでいることを医師に伝えられずにいることが多いです。

病院が混んでいて先生が忙しそうだったから聞けなかった、これを言ったら先生に怒られそうだから言えなかった、など理由は様々です。

そんな患者さんの気持ちや抱えている問題の背景を聞き取ったり感じ取ったりして薬剤師としてアドバイスすることが出来たとき、そして感謝をしてくれたり患者さんの笑顔が見られたとき、薬剤師をやっていて良かったな、と心から思うことができます。

また私は2児の母でもあるのですが、特に小児科の患者さんが来ると自分の子育ての経験を伝えることも出来ます。

自分が実際に経験をしているからこそ、お母さんやお父さん達に寄り添った考え方が出来るようになりましたし、それが実際の業務にも生かすことが出来ます。

医療従事者としてではなく、一個人として自分自身の経験が患者さんのお役に立てた時にも薬剤師という仕事を選んで良かったな、と思います。

中にはなかなかコミュニケーションを取ることが難しい患者さんもいて上手くいかず落ち込むこともありますが、こちらが一生懸命、誠実に対応することによって伝わることもたくさんあるので、一つ一つ楽しんで取り組んでいきたいと思っています。

薬剤師をやっていて悪かったこと

逆に薬剤師をやっていて悪かったこと、デメリットや今後の課題と言い換えることも出来ると思いますが、それは薬剤師は薬の専門家ではありながら最終的な処方決定権は医師にあることです。

医師も病態をはじめとして高度な医療知識を必要とするのでもちろん薬の知識も持っていますが薬剤師も4年、もしくは6年大学で薬のことを中心に学んだ専門家です。

そんな私たちがこの処方で良いのだろうか、処方提案しても結局医師の決定が全て、医師が拒否をすればそれに従わなければならないという点で今までももどかしさをたくさん感じてきました。

医薬分業が進み以前よりは薬剤師と医師の関係性は密着になり上手く関係性を築くことも出来ている部分はありますが、中にはこちらの話をなかなか聞いてくれない医師がいるのも事実、薬剤師の仕事とは何か考えさせられることもあります。

私が薬剤師として働き始めた1年目、電話越しに医師に怒鳴られてしまったことがありました。

少し遠いクリニックの処方箋をお持ちになった患者さんがいたのですが、処方された薬の在庫が無く、患者さんがお急ぎで今すぐに欲しいということで近隣の薬局にも問い合わせをしたのですがなかなか在庫がありませんでした。

患者さんの希望と風邪薬で臨時のものであったということもあって代替薬に処方変更のお願いを医師に電話で行いました。

その際に、私が処方した薬でなければ意味がない、そんなことをされては困る、何としてでも用意しなさい、ときつい口調で怒鳴られてしまいました。

在庫が無いのはこちらの都合でしたのでこちらがいけないのですが、薬剤師1年目の私にとって、医師に怒鳴られた、という経験が少しの間トラウマになりその後の疑義紹介は毎回医師の顔色を伺いながら緊張の中で行っていた記憶があります。

薬剤師と医師の関係

医師との関係性について色々と述べましたが、これは私たち薬剤師の今後の課題であるとも言えます。

薬剤師が医師を説得するだけの実績を積んでいかなければいけないというのも事実です。

昔よりも医薬分業は進んできて我々薬剤師に求められること、出来ることも増えてきましたが、薬剤師が発言出来る場をもっと増やして医師をはじめとした医療従事者とのチームワークを通じて積極的に患者さんの治療に関わっていかなければならないと思っています。

そのためには日々勉強、精進していくことが今の私に出来ることだと思います。