介護業界では「今の職場を辞めたいのだけど辞めさせてもらえない」とか「施設に迷惑をかけてしまうから辞められない」ということを言う方がよくいます。
もちろん社会人として、職場や周りの職員に迷惑をかけるということは可能な限り避けるべきですが、辞めるということも労働者に認められた権利のひとつです。
昔と比較すると、転職することはネガティブに捉えられることも少なく一般的になっていると言えます。
介護業界で転職に適したタイミングは?7つのタイミング
介護業界は職員の流動性が高く、1年間に介護職員(正規職員)の14%、実に7人のうち1人が退職しているという統計結果もあります。
しかしほとんどの人は、仕事を辞めても別の仕事に就くことが一般的だと思います。
転職の理由は様々だと思いますが、どのようなタイミングで転職をすればよいのか、転職に適した時期・タイミングがあるのかを考えてみましょう。
「よい求人を見つけた」タイミング
介護施設で求人を出すタイミングは以下の3つがほとんどです。
2・欠員補充
3・拡大による「増員」
この中で「2・欠員補充」の求人が最も多いと考えられます。
欠員補充の場合は充足してしまえば求人は終わってしまいます。求人は水物(ミズモノ)ですから、少しでも良さそうだと思えば積極的に挑戦をするのがよいタイミングと言えます。
ほとんどの施設では、見学や説明に応じてくれるはずですので、気になる求人は見学だけでもしてみるのもよいかもしれません。
「ボーナス支給後」のタイミング
介護業界では年に何度か職員の退職が増えるタイミングがあり、そのひとつがボーナスの支給後のタイミングと言われます。
一般的には、年に2回程度(主に夏と冬)のボーナスが支給される施設が多いと思います。
ほとんどの施設では、ボーナスの支給時期に在職していることを条件にボーナスが支給されるので、ボーナスをもらった後に退職するというタイミングが最もよいタイミングと言えます。
ボーナスの支給の要件は、各法人の就業規則によって異なりますので事前に確認をしておきましょう。
「年度が変わる」タイミング
年度が終わるタイミング、新年度が始まるタイミングも転職に適した時期です。
新年度の始まりは、様々なライフスタイルの変化が起こる時期でもありますし、新年度の採用に向けて最も求人数が多い時期でもあります。
また施設によっては、年度末の賞与や処遇改善加算の締めの関係から手当の支給がある場合もあります。賞与や手当をもらってから退職をする、ということもよいタイミングと言えます。
「資格を取得した」タイミング
介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員など新しい資格を取得しスキルアップしたタイミングで転職することもよいタイミングのひとつです。
資格手当は施設により金額も大きく異なります。
例えば介護福祉士の場合では、少ない施設では2,000円ほど、多い施設では20,000円以上という場合もあり、これだけで年間20万円以上の差になります。
基本給で評価されている場合もあるので一概には言えませんが、手当てを取得して資格手当が充実している施設に転職するという方法もよいタイミングと言えます。
「新しい施設がオープン」するタイミング
人手不足の介護業界の中で、唯一職員が集めやすいタイミングが新しい施設のオープンでのタイミングと言われます。
介護職員の退職理由のうち、最も多い理由のひとつが「職場の人間関係」と言われます。
新しい施設では、まだ人間関係が出来上がっていない場合がほとんどのため新しい施設のオープンを見つけたら転職のよいタイミングと言えます。
「職場の職員が充足している」タイミング
転職を考えるタイミングは、基本的には個人の自由だと思いますが「出来る限り今の施設、周りの職員に迷惑をかけたくない」というのは人情というものです。
もし次の職場が明確に決まっていないようであれば、出来る限り退職の意思表示をして次の職員が決まるタイミングで退職するという方法もあります。
介護業界は意外と狭く、次の施設に就職した場合に「前の職場の職員はどこで働いているか知っている」ということも多くあります。
なるべく迷惑をかけないよう、不義理とならないよう考えることも大事です。
「声を掛けてもらった」タイミング
介護職員が施設を決める理由は様々ですが、「知り合いからの紹介」も多くの割合を占めています。
知り合いからの紹介で就職することは、人間関係の構築や施設の雰囲気に馴染めるかどうかなど不安を少なくする良い機会のひとつと言えます。
声を掛けてもらったタイミングで転職をするということも、よいきっかけのひとつになります。
~でもやっぱり・・・「退職を決断した時」が最大の転職タイミング!~
ここまで、転職の時期やタイミングについて見てきました。
転職は、これまでのキャリアや経験、人間関係をリセットする大きな決断になります。
様々なタイミングやきっかけがあると思いますが、最終的には自分が「退職を決断した時」が一番のタイミングと言えるかもしれません。
ただ、転職する・退職するタイミングで丁度良い求人が市場に出回っているとも限りません。
そのため、転職が頭をよぎるようになってきたら転職サイト等に登録し、常に希望にマッチしそうな求人がないかどうかアンテナを張っておくと良いでしょう。
希望を登録しておくとそれに合致した求人が送られてくるため、そうしたタイミングを作っていくことも重要です。
当サイトでは転職サイトや転職エージェントの利用をお考えの方向けの記事もございますので、是非ご参照ください。
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