介護の仕事をしているとたまに見かける異食行動。
異食とは本来食べれない物なんですが、認知症を発症し、食べれる物か食べれない物か分からず口に入れる行動の事をいいます。
そんな認知症の異食についての失敗談を紹介します。
それはさすがに気づかない
ユニットにいた入居者の話しになります。
その方は普段ニコニコされていて、意思疎通も出来ます。
しかし、何度も同じ話しを繰り返したり、自分の部屋が分からなかったりする方でした。
最初に異食行動に気づいたのは後輩です。
テーブルの上にテッシュを置いていたら気づかない間に口に入れていたらしいのです。
その報告を聞いて、その入居者の周囲にはなるべく物を置かないようにする事、空腹時に異食行動がみられるので、食事前は特に目を配る事を徹底するようにしてました。
ある日私が勤務していた時、周囲には何も置いていない、食事の前でもなかった為、他の業務をする為に少し目を離しました。
ほんの数分だったと思います。
フロアに戻ってみると、最初はその人がちょっと焦げた感じのステーキを食べてるように見えました。
もちろんステーキなんて出ませんし、食事の時間でもないので何かしら異食している!と思いすぐに駆けつけます。
何を食べてたのか確認するとステーキに見えたのは靴の中敷。
焦げてるように見えたのはただの汚れで、それを一生懸命噛んでいました。ニコニコと。
一瞬ちょっと笑ってしまったのですが、まさか靴の中敷を食べるとは思ってもいなかったのでビックリです。
すぐに出してもらい、一応看護師に報告。「飲み込んだわけでもないので、大丈夫でしょう。まさか中敷食べるなんてね。」と半笑いで看護師も話していました。
異食を止めさせるより他の対策を
周りに何も置いていなくても異食をするのであれば別の対策をしようとなります。
その入居者がフロアに1人しかいない時に目を配るのはもちろんですが、職員がフロアから離れる時等にはお茶やちょっとした食べ物(毎回ではない)を提供するようにしたり、他の入居者と一緒に過ごしてもらうように対策をしました。
その時以降も何度か異食をしましたが、中敷を越える物を異食した事はなかったです。