「薬剤師は初任給がよいが、昇給が少ない」
とよく言われています。
私もそうでした。
とはいえ、
・そもそもなぜ薬剤師の昇給が少ないのか?
・どうすれば今よりもお給料を上げることができるのか?
と悩んでいる方も多いのではないかと思います。
そこで、この記事では薬剤師の待遇改善のための転職方法について、実際転職エージェントを利用して、転職経験のある薬剤師が自らの経験を元に解説していきたいと思います。
具体的には、
・薬剤師の昇給は少ない?!
・なぜ薬剤師の昇給は少ないのか?
・転職エージェントを使った転職のメリット
・転職エージェントを利用した転職の前にやるべきこと
について詳しく解説していきたいと思います。
今より少しでも待遇を改善したいと考えている現役薬剤師さんの
力になれたらと思います。
薬剤師の昇給は少ない?!
一般的な大卒初任給は20万円ほど、それに対して調剤薬局勤務の薬剤師の初任給は、概ね25~30万円といわれています。
実際私の初任給は29.8万円でした。
一般的な大卒者に対して5~10万円の資格手当てが付くイメージです。
そんな恵まれた待遇の薬剤師ですが、欠点があります。
薬剤師は昇給が少ないのです。
実際調剤薬局で働いている私の昇給はひどい年は「ゼロ」でした。
その上その職場は年中無休で年末年始まで出勤しなければならず、夜遅くまでの勤務が中心で、日付けをまたいで仕事をすることもしばしばでした。
それにもかかわらず、昇給は1000円や、よくて4500円です。
管理薬剤師になったとしても管理薬剤師手当ては2万円と決して高いとはいえない金額でした。
なぜ薬剤師の昇給は少ないのか?
では、なぜ薬剤師の昇給が少ないのでしょうか?
これにはいくつかの原因があります。
まずは、管理薬剤師や薬局長などのポストが少ないことです。
調剤薬局の数が右肩上がりの時代や、薬学部4年制から6年制に切り替わる空白の2年間などは、管理薬剤師のポストが豊富にあり、比較的早い段階で管理薬剤師など重要なポストに付くことができていました。
実際、私も調剤経験4年で管理薬剤師を経験し、その半年後には新規オープンの薬局の管理薬剤師をまかされ、その後は多店舗応援を任されるなど、さまざまな経験をさせてもらうことができました。
しかし、現在では6年制薬剤師が大量に排出され、新規調剤薬局の開局が頭打ちになっていることもあり、役職につくことが難しくなっているのが現状です。
先輩薬剤師が多い職場ではポストに空きができるまで時間がかかってしまう場合がほとんどです。
また、調剤薬局の経営者の考え方によってもお給料がぜんぜん違ってきます。
薬剤師という職は女性が多いため、産休などで欠員が出やすい職業です。
そのため、急な欠員補充のために既存の従業員に比べて高額な年収で募集をしているケースもあります。
タイミングよく高額な年収で入社できればよいのですが、安く買い叩かれた場合はその分不利な条件で働くことになります。
釣った魚に餌をやらない経営者ですね。私もそういった会社で働いた経験があります。
薬剤師が転職エージェントを使った転職のメリット
昇給が少ない、人間関係が悪い、休みが取りづらいなど、様々な不満を抱えている薬剤師さんは大勢いると思います。
社内で努力して何とかなる場合はよいのですが、雇われのサラリーマン薬剤師では経営者の方針には逆らえません。
私も待遇に不満があり、直談判したことがありますが、一蹴されてしまいました。
転職を決意した私は転職エージェントを利用したのです。
結果として満足のいく転職をすることができました。
転職エージェントを使った転職にはいくつかのメリットがあります。
①面接や見学の日程調整の手間が省けること
すでに退職していて、暇をもてあましている方であればよいかもしれませんが、私の場合は働きながら転職活動をしました。
昼間働いていると求人を検索して応募したり、電話やメールで希望を伝えて各社の日程を調整して、改めて確定の連絡をするなど毎日の業務をこなしながらの日程調整は大変な手間です。
私の場合複数社に応募してその中で一番よい条件の職場を選ぶという形式をとったので、日程調整をエージェントに丸投げできたのは、凄くたすかりました。
②自分の提示する条件に近い求人を探してくれること
求人とは表に出ているものだけとは限りません。
非公開求人も多くあります。
なぜ非公開なのか、いろいろ理由はあるかもしれませんが、
ひとつには既存の従業員に見られると困る求人です。
薬剤師の求人の場合どうしても緊急の募集で、既存の従業員の条件よりもよい条件で募集をしなければならないケースもあります。
そういった求人の場合、今働いている従業員に見られることは避けなければなりません。
私が以前働いていた調剤薬局では、これをやって大問題になりました。
③年収などの条件を交渉してもらえること
お金の話ってなんだか気が引けますよね。
同じ職場で働くなら1円でも高い給料で雇ってもらいたいものです。
でも、もっと給料を上げてくれとも言いづらいのが事実です。
しかし、そういったお金の話も転職エージェントを活用すれば上手に交渉してくれます。
実際私が転職した時、条件が提示された後、交渉してもらえました。
転職エージェントからは、
「我々を利用するメリットのひとつに年収の交渉があるので、ぜひ活用してください」
といわれ、交渉してもらったところ、特別手当という形で月1万円の上乗せを実現できました。
④実際の職場の雰囲気をエージェントが把握していて教えてもらえること
経験豊かな転職エージェントになると、紹介してきた先の職場の雰囲気や、採用担当者と話した印象、実際働いている薬剤師さんからの情報など、求人票では知ることのできない雰囲気を教えてもらうことができます。
例えば、経営者が女性で子育て経験もあり家庭との両立がしやすいとか、気さくな経営者で従業員の働きやすさを重視した職場とか、勉強会に力を入れていてアカデミックな薬局です。といった情報を教えてもらうことができました。
転職エージェントによっては、ただ単に求人票をかき集めてきて、送り付けてくるだけのエージェントもいるので、そういうところはやめておきましょう。
転職エージェントを利用した転職の前にやるべきこと
転職をして、今よりよい待遇を手に入れたいと思っても、あなた自身の市場価値が高くなければ
よい条件での転職はできません。
今の職場に不満はあるかもしれませんが、あなた自身の条件はどうでしょうか?
他社が欲しがるような知識やスキルを持っているでしょうか?
認定薬剤師の取得など自己研鑽は行っているとか、管理薬剤師などの管理職の経験があるなど
転職をする前に、他社にアピールできる客観的な実績があると有利に転職ができます。
また、現在抱えている不満は転職後には解消されるでしょうか?
転職をする前に「なぜ辞めたいと思っているのか」原因をはっきりさせる必要があります。
原因をはっきりさせる前に転職してしまうと、転職先でもすぐに不満を持って転職を繰り返してしまいます。
転職を繰り返す行為は、信用にもかかわるためできるだけ少ないほうがよいのです。
転職エージェントを活用してしっかり情報収集を行いましょう
薬剤師の転職を成功させるには、なぜ転職したいのか目的を明確にする必要があります。
また、転職先がどういった職場なのか質のよい情報が必要です。
そのためには転職エージェントがどれだけ、「生きた情報」を持っているかが重要です。
ただ単に求人の情報を保有していて、その中から適当な求人を送ってくるのではなく、転職先の雰囲気や職場環境、設備投資の状況などの情報を豊富に保有しているエージェントがお勧めです。
また、履歴書の上手な書き方から面接のアドバイスなど、様々なサポートをしてくれる信頼できるエージェントを見つけるようにしてください。
薬剤師におすすめの転職エージェント
薬剤師の転職エージェントはたくさんあり、ランキング形式でエージェント紹介がされているサイトもありますが、ランキングを気にする必要はあまりありません。
どこどこの転職エージェントが丁寧で良かったとか、どこどこには良い求人があったという話も聞くかと思いますが、だいたいはタイミングと担当してくれるエージェント次第です。
良い求人がある時は、どこの転職エージェントもだいたい持っています。
どこの転職エージェントにも良い担当者・そうでもない担当者がいます。
もちろん、会社としてダメな転職エージェントもありますので、そういうところだけ外しておけば問題ないでしょう。
多少特徴に違いはあるものの、基本的にどこの転職エージェントもそれほど大きな違いは無いので、各社の特徴をおさえて2社程度登録し、うまく相性が合いそうなところで最終的に転職するくらいの感覚で問題なく、転職エージェント選びに時間をかけてもあまり意味がないので、下記にいくつかピックアップしますので、ご参考頂けましたら幸いです。
※どの転職エージェントを利用しようか迷っているのであれば、エムスリーキャリアの薬キャリはおすすめです。
大手上場企業が運営しているという安心感もありますが、それ以上に、こちらの転職エージェントでは医師等の転職支援も行っており、様々な医療に関わる事業を展開していることから、情報力も抜群なため、転職相談・情報収集するにはもってこいでしょう。
薬剤師の転職においてはまず初めに利用を考える転職エージェントです。
・マイナビ薬剤師
※大手と言うこともあり、転職ノウハウは豊富で、サポート体制もバッチリです。
単に求人の紹介をするだけの転職エージェントは多いのですが、マイナビ薬剤師ではきちんと転職先候補の求人先の内情まで含めて情報提供してくれましたので安心して利用することができます。
全国各地に拠点があるので、地方在中の方にもおすすめです。
・ファルマスタッフ
※とにかく求人数が豊富であり、尚且つ各求人先の特徴について詳細にサーチしてくれているので、あらゆる質問に回答していただけました。
特に調剤薬局の求人・転職に強い印象があり、他では紹介されなかった高年収帯の求人も紹介いただけたので、調剤薬局への転職を中心に考えている方や、高収入の求人に興味のある方は登録しておきましょう。
最近かなり評判がよく利用者も多いので、もしまだ登録したこと無い場合、一度試してみてはいかがでしょうか。
派遣にも強いので、派遣での就業を考えている方にもおすすめです。
なお、薬剤師の転職エージェントをどこにすればいいか迷っている方等は以下もご参照ください。
転職という言葉は、昔ほど珍しい言葉ではなくなり、特に薬剤師など、国家資格を持つ場合はむしろ転職ありきで職場を選ぶパターンも増えています。 しかし、転職にはリスクとそれにかかわる不安があることは変わりません。 転職をする際にどのような点に[…]