自分を売り込みたいからアピールポイントを伝える求職者、その人のことを知りたいから色々なことを聞きたい面接官。面接中には様々な思惑が交差するものです。
しかし、中には言うべきか迷うこともあります。今回は、その中でも『独立』に関して解説していきます。
将来的に独立を考えていると伝えるべき?
まず結論から言うと、内定を取るということだけを目的とするならば、基本的には『伝えるべきではない』です。企業は『長く働いてくれる人材』を基本的には求めています。独立するということは、その時点で大きな戦力を失うということになります。今までかけてきたコストはおろか、その企業で身に付けたノウハウやお得意さんなども一緒に持って行かれるリスクさえあるのです。そのため、多少警戒はされるでしょう。
しかし、中にはそう言った考えを持っている人こそ我が社で働いて欲しい!と考えているところもあります。このような思想は、ベンチャー・中小企業の社長に多いです。
起業家を輩出することでブランディングに活かしている企業や、スピンアウトする形で起業を支援している企業など様々ですが、こうした企業では起業家マインドはプラスに働きます。
ただし、「経営者目線で仕事に取り組んで欲しい」と考えている企業などでは、「起業家マインドを持った方を募集」、というような文言を記載するケースもあります。そうした場合、起業そのものに理解があるというよりは、なんでも自発的に取り組んでほしいという意味合いで書かれていることもあるので、しっかりと求人票を読み、誤解のないように気をつけましょう。
以上から、内定を取るということを考えた場合、「起業する」という意思を伝えることで少なからずリスクはでてきます。
ただし、本当に将来独立することが夢で、そうしたことに理解のある企業を探しているのであれば、面接中に正直に言うことは問題ありません。
企業側から聞かれた時は?
逆に、企業側から「将来独立を考えたりしないのですか?」と質問された時はどのような対応をすれば良いのでしょうか?求職者を困らせる意地悪な質問ですが、回答例を1つ挙げておきます。
『現時点では独立は考えていないが、御社で独立出来るくらいの力をつけたいと思っています』
『具体的に独立するところまでは考えていないが、新規事業やサービスの立上げには興味があるので挑戦したいと考えている』
このように回答すれば独立する気概も感じられる上に、独立する可能性は低いと判断される可能性が高いです。
独立を考えると言った方が良い事も
場合によっては『独立したい』と言う意志を伝えた方が良い印象を持たれる企業も存在します。可能性として挙げられるのが、ベンチャー企業の面接です。設立して間もない、軌道に乗ってきたベンチャー企業の中には、『今後、社員に子会社を任せたい』や『独自で起業することで自社と相互でビジネスの拡大を図りたい』といった意思がある場合があります。
そのような理想を掲げている企業であれば、『独立したい』という意志は前向きに受け取ってくれることでしょう。しかし、これは稀なケースです。ベンチャー企業が全てそう感じている訳ではありません。しっかりと企業研究をした上で、言うべきか考えてください。
まとめ
このように、内定をとることを前提とするならば、基本的には独立の意志があることを伝えるのは得策ではありません。しかし、企業側から意志を聞かれることもあります。しっかりと自分の意思を固めるとともに、企業のHPや求人票もしっかり読み、対策して臨むようにしてください。