機械設計エンジニアは大きく2つに分類されます。CADオペレーターと設計者です。
CADオペレーターはその名の通り、CADを操作する人です。主な業務は設計者からでてきたインプットをCADと呼ばれるツールを使って部品の形にすること、加工業者が製作できるように図面にすることです。
設計者は、製品の仕様に対して各部品の仕様や構成を考え、部品の形状を決めます。その過程では材料力学や熱力学、光学などの知識が必要になることもあります。また製品の形を作るだけでなく、試作機を製作、組立や評価を行い、安定して量産できるように生産方法を考えることも業務になります。
たいていの設計者は設計ツールとしてCADを使うことができるのでオペレーターを兼ねます。自分で図面まで作成する場合と、CADオペレーターにインプットして図面化を行ってもらい、設計作業を専門で行う場合があります。
CADオペレーターの年収はどれくらい?
CADオペレーターは企業に直接雇用されるのではなく、派遣会社などを通して仕事を請け負うことがほとんどです。派遣会社に登録して働く場合は、ほとんどが時給になり、相場は1,000~2,000円です。時給が2,000円で1日8時間、年間200日働くと年収で320万円になります。
エンジニアに特化した派遣会社の場合は、社内での研修を受けるなどスキルを磨くことも可能です。スキルがあがると当然給与もあがり、時給でも3,000円以上(年収で480万円)になることもあります。また、派遣会社と雇用契約を結び、賞与を含めて年収が600万円を超える人もたくさんいます。
設計者の年収はどれくらい?
設計者は短時間でスキルアップするのも難しく、通常は長期契約となります。すなわち派遣ではなく直接雇用になります。当然ながら、設計者のスキルは大きな差があります。得意な分野によっても異なります。年齢=経験ととられることが多く、経験が増えるほど給与が増える場合が多いです。中小企業ならば、20代で300万円~、30代で400万円~、40代で500万円~になります。大企業なら20代で400万円~、30代で500万円~、40代で600万円~になります。
転職の場合、雇用される企業とスキルがマッチングすると年収が700万円を超えることもあります。ただ、初年度は年収が抑え目になることが多いです。試用期間が半年など長めに設定される企業が多く、その間は賞与がでないためです。
40代前半で、大手企業から200名程度の中小企業に転職した例があります。大手企業で機械設計や製品開発リーダーを経験したのち、転職した例です。
転職先では、主任待遇での採用となりました。試用期間は半年でその間の賞与は0、下半期のボーナスが通常の約50%で年収が705万円でした。2年目はボーナスが通常になり、年収が800万円に増え、4年目にはそれまでの3年間の業績が認められ昇給すれば年収860万円になります。
年収などの待遇が要因で現在転職を考えているというケースではメイテックネクストなどの職種・業界に精通した転職エージェント等に相談してみても良いでしょう。
現在の待遇が相場と比較してどうなのか知ることができたり、逆に意外と恵まれていることがわかったりするケースもあります。
機械設計エンジニアで転職を有利に進めるには?
機械設計エンジニアだからといって、機械設計だけができればいいというわけではありません。開発において、機械設計者が製品全体の検証を行うケースがほとんどです。検証でのトラブルはつきものですが、それをコントロールするのも機械設計者です。電気設計やソフト設計ができる必要はありませんが、ある程度切り分けができる技量があった方が良いでしょう。大企業になれば、完全縦割りで機械設計だけでよいというところもあるかもしれませんが、それは少数派です。
エンジニアにとって難しいのが、例えば40代になると通常は管理職になります。特に大企業では管理職=人のマネージメントとなることが多いです。中小企業の場合は、人手不足もあるので管理職でも現場でバリバリ開発をすることが多いです。
転職にあたり、自分はどちらを希望するのかを明確にしておく必要があります。管理職だからマネージメントしかしませんというよりは、マネージメントもするけど現場での開発にもかかわりたいというのが理想的です。そのような人材になることができれば、転職することで年収アップも期待できます。
なお、転職にあたってはエージェント利用などがおすすめですので機械設計エンジニアにおすすめの転職エージェント・サイトと転職動向について等のページもご参考ください。