エンジニアの採用面接での採用者側の注意点

圧迫面接ではなく、求職者に寄り添った優しい面接だとストレス耐性が図れず、入社後に早期離職してしまうことも。
だからといって、面接で厳しく聞きすぎてしまうと、辞退されることも多く、面接は難しい、と思っている採用面接官は多いようです。

たしかに、採用も大事ですが、入社後に活躍してくれる人を採用したいのは、どこの会社も一緒です。

今回は、そんなエンジニアの面接での注意点を、「求職者からえらばれる会社になるポイント」と「会社として優秀なエンジニアを見極めるポイント」に分けてお伝えしていきます。

選ばれる会社になるための3つのポイント

エンジニアの有効求人倍率は依然として高い状況にあります。面接を実施し、ぜひ採用したいと思っても、他社に入社を決めてしまう、ということもよく聞きます。まずはエンジニアからえらばれる会社になるための、面接における3つのポイントについて解説していきます。

1.面接前でのやり取りは、丁寧×スピード勝負!

連絡が遅い求職者にはやる気がなさそう/転職意欲が低そう、と思う企業もあるようですが、エンジニアからみても、連絡が遅い企業、連絡が雑な企業は、その対応から面接に行きたくない、と判断してしまうようです。

たとえば面接が設定されたタイミングで、志望動機書や手書きの履歴書の準備が必要だったり、企業指定のフォーマットでのインタビュー用紙の回答が必須等、手間に感じてしまう個人は多いようです。

また、面接日程の調整や面接結果が5日以上かかる場合なども、志望度が下がっていく傾向があります。面接前でのやり取りは、丁寧さとスピードが大事になります。

2.面接では共感を大切に

面接での印象がそのまま会社の印象になります。

もちろん、会社規模や年収、仕事内容なども気になりますが、求職者は個人ですから、面接官の印象で、「この会社の人があいそう」「この会社の人はあわなさそう」などと判断します。

ほとんどすべての個人が、面接官での印象でその会社への意向が変わるといっても過言ではありませんので、面接で応対が必要です。
面接では、個人が頑張って取り組んできたことや、話に対して一方的に質問をし続けるのではなく、「受け止める」「応じる」姿勢を見せましょう。
「それは大変でしたね」「そういう状況では辛いですね」「それは頑張りましたね」などと感じた気持ちを表現するとよいでしょう。
目を見て話してくれなかった、圧迫面接だった、あくびをしていた、などはもってのほかです。

3.フィードバックをしてあげる

面接の最後には、ぜひ面接でのフィードバックをしてあげましょう。意外と実施している会社は少ないのですが、個人からはすごく喜ばれます。
「今日の面接でお話しを聞いて、〇〇さんは・・・という強みを持っている方だと思いました」「〇〇さんは・・・という経験をしていらっしゃって、素晴らしいなと感じました」など、具体的に褒めるとよいでしょう。

一方で、不足しているところや足りないところは「・・・をもう少し経験すると、もっと良くなるような気がしました」「・・・・という考え方もあるかもしれないですね」などとお話しをしてみてもよいでしょう。良いところも悪いところも伝えると、個人のエンジニアは真摯に向き合ってくれたと感じてその会社への意向があがるようです。

活躍するエンジニアかを見極める3つのポイント

一方で、面接では良いと思ったのに、入社をしてみると思っていたよりも活躍してくれない・・・ハッキリ言ってしまえば、採用失敗だったなと思うこともあるかもしれません。
当たり前ながら誰もが面接では取り繕っていますので、本音は見えないものですが、特に面接で意識して確認していただきたい3つの点をお伝えしま
す。

1.転職理由は深掘りを

まず、転職理由の深掘りです。

当たり前ながら個人のエンジニアは面接準備をしていますので、「転職理由は?」の回答はしっかりと準備をしています。
その回答は、他責にならないように工夫をしていると思いますが、転職を考える人のほとんどはネガティブな感情から活動をスタートしています。「いつから転職を考えたのか」「どんなきっかけで活動を始めたのか」「その事象がなければ転職は考えていないのか」など、転職理由について深堀をしていくと、本音が見えてきますし、作りこまれた転職理由は辻褄が合わなくなってきます。

転職理由はぜひ深堀してみてください (前述している通り、印象が悪くならないことが大切です。「たくさん質問してしまって恐縮ですが・・・」「〇〇さんのことをよく理解したいので、もう少し確認してもいいですか?」など枕詞をつけ、質問責めにされていると感じさせないようにしましょう)。

2. 技術はしっかりと確認を

エンジニアの採用失敗でよく話題になるのが、「思っていたよりも技術がなかった」ということです。

技術に関しては自己評価のため、「結構理解しています」「得意です」と言っても、その度合いは個人によって大きく変わります。
プログラミングの実技やテストを導入している会社もありますし、その場でホワイトボードにロジックを書いてもらう、という会社もあります。具体的なケーススタディを準備して、どのように考えるのかを聞いてみることもできます。実技以外では、例えば詳細設計を「自分1人でやっていた」のか「誰か先輩と一緒にやっていたのか」、「そのプロジェクトは自分で〇〇を決めた」のか「上司が決めたものをやっていたのか」など、一人称でどの程度までやれるのかなど、質問の角度を変えて聞いてみてもよいでしょう。

3.大事な事項は遠慮せずに確認を

会社によって大事にしていることは異なります。
休職しているとちょっとなぁと思ったり、病気になっているのであれば事前に知りたかったり、残業時間が多くても頑張ってくれるかどうかなど、会社ごとに大事にしていることはあります。
面接で優秀だと思っても、会社が大事にしていることが合致しないのであれば採用しないほうがよいでしょう。あえて、「残業時間は・・・時間になることもありますが、本当に大丈夫ですか?」などと伝えて、覚悟を確認してみるのも1つの方法です。

また、質問しにくいようであれば、面接の最後に質問シートなどを準備し、「休職の有無」「体調について」を確認している会社もあります(その場合はこれらの事項だけではなく、仕事内容/今後やりたい技術/年収なども一緒に質問する方がよいでしょう)。

よい採用は、よい面接から始まります。ぜひ自社の面接を振り返ってみてはいかがでしょうか。