Webディレクターってなに?
Webディレクターはお客様(クライアント)の要求を仕様書に展開して、WebデザイナーやWebプログラマに仕事を割り振り、開発全体をコントロールするのが主な業務です。広い意味でシステムエンジニア(SE)と呼ばれることもあります。クライアントの要求を仕様書に展開しなければならないので、WebデザイナーやWebプログラマがWebディレクターへとキャリアチェンジすることも多いです。
Webディレクターの年収はどれくらい?
厚生労働省がだしている賃金構造基本統計調査からはwebディレクターという枠組みではなく、もっと大きな枠組み(システムエンジニアなど)でひとくくりになっていましたが、転職サービス大手のDODAにより各職種の年収調査が行われていたので、そちらのデータを少し参考にさせていただきました。2017年の調査結果によると、webディレクター全体の平均年収は445万円となっています。webデザイナーが360万円、web編集/webコンテンツ企画者が355万円なので、約100万円高いことになります。
男女別でいうと、男性が473万円、女性が408万円となっています。
年代別でいうと、20代が370万円、30代が456万円、40代が527万円、50代が556万円となっています。
他の職種と比べると若干年収は高い傾向にありますが、webサイトやwebサービスの構築にあたり、webディレクターのディレクションの良し悪しでサービスの質が決まるといっても過言ではないくらい重要なポジションのため、必要とされるwebディレクターは年収が高い傾向にあります。また、顧客と直接接する機会も多いため、営業スキルやビジネススキルも高くなり、売上に対する意識が高い方が多いのも年収が少し高くなる要因と考えられるでしょう。
顧客との接点が多いので、独立する方も多いのが特徴です。
稼げるwebディレクターの特徴は?
Webディレクターはクライアントの要望を満たすアウトプットをだすことが必要条件と考えられがちですが、これは最低限のレベルになります。そこから、クライアントの要望をヒントにして、新しいビジネスモデルを逆提案できるwebディレクターは企業から重宝されます。企業がwebサイトを制作する目的は、webサイトを使って何かしらの利益を創出すること、もしくは利益を創出するきっかけをつくることであり、公開すること自体が目的ではありません。利益を創出できるwebサイトを実現するためにはweb技術だけでなく、クライアントの目的を理解するための幅広い知識が必要になります。
そのために必要な能力として、「ビジネスへの適用力」、「対応力・調整力」、「リスクを超える提案力」があります。
ビジネスへの適用力は、制作したwebサイトやサービスがどのように利益創出につながるのかまで考える力のことをさします。単に作りなさいといわれたから作るだけでは、webサイトを公開することが目的となってしまい、どうやって利益につながるのかわからないため、ブラッシュアップすることができません。開発途中で、ここを変えたら利益につながるということに気がつかなくなってしまいます。極端な話をすると、webサイトによってどのように利益に貢献できたかの成果が数字で見えるようにならないといけません。成果が数字で見えるサイトを構築するためには、クライアントの事業や戦略、市場に置ける強み・弱みを理解していなければなりません。加えて、マーケティングに関する知識も必要でしょう。クライアントが抱える問題を理解し、単にwebサイトの構築をするのではなく、クライアントの課題・目的・意図をくみ取ったうえで、提案していく能力が必要です。
対応力・調整力は、webディレクターに限らず、どのような職種でも同じですが、トラブルが発生することなく新しいサービスを創出できることはまずありません。たいていはトラブルやアクシデントに見舞われます。そのような状況になったときの対応はもちろんのこと、なる前に事前に対応策を練っておくことで損害は最小限で済みます。不足の事態を常に意識することで、トラブルが発生してもそのトラブル自体が想定範囲内として対応することができます。また、常日頃からメンバーとしっかりコミュニケーションとることで、情報や意見がくみ取りやすくなり、何か問題が出てきたときに早期に発見することができます。問題を一人で抱え込んでしまうメンバーが出てきてしまうことも多いため、そうならないよう、常に環境を整えておくことも重要です。
どうしても、スケジュールや納期を遅らせなければならないケースがでてくることもありますが、クライアント、あるいは営業担当ともしっかりコミュニケーションをとっていれば、信用を落とさずに、開発スケジュールを変更することもできるでしょう。
webディレクターは多くの人とかかわって仕事を進めていく必要があるので、各担当者が円滑に業務を進められるよう上手に調整できる人材が求められています。
開発が滞ることなく、スケジュール通りに完了させることはもちろん重要ですが、どうにもならない最悪のケースが発生することも踏まえて、プロジェクトを進行していくことも重要です。
リスクを超える提案力は、例えばクライアントによる無茶な要望に対して、単に無理ですと回答するのではなく、要望を実現するためにおこりうるリスクを洗い出し、そのリスクを上回るメリットがあるかどうかを判断し実行するのか、あるいはクライアントへ実現可能な形で別のアプローチを提案していく能力になります。要求どおりのモノや納期を受け入れるのか、要望に対して別のアプローチによる解決策は無いのか、リスクに対して否定的な意見を言うだけでなく、ほかの手段を提案することでクライアントからの信頼を勝ち取ることもできます。
これらの能力を兼ねそろえることができたwebディレクターは企業から重宝されるだけでなく、フリーランスとしても大きな年収を得るチャンスがあります。
言われたことしかできないwebディレクターになるのではなく、なぜクライアントがそのような要望を出してくるのか、課題や意図を理解し、解決するための手法を提案できるwebディレクターは多くの場面で必要とされるため、年収が高い傾向にあります。
年収をあげていくためには、そうした付加価値を持ったwebディレクターを目指していくことが重要です。
また、最近では経験が浅かったり、未経験の方でもwebディレクターとして採用されるケースは増えておりますが、最初は言われたことしかできなくても、こうしたことを意識して仕事に取り組むことで、多くの人から必要とされるwebディレクターとして成長していくことができるのではないでしょうか。