ITやデジタルを活用したWebマーケティングに力を入れている企業は増加傾向にあり、大手企業はもちろん、昔ながらの中小企業でもWebマーケティングに積極的に取り組んでいるところが増えています。
こうしたwebマーケティングの仕事では、どのような人物が求められているのか、転職マーケットはどうなっているのか見ていきたいと思います。
Webマーケティング担当者とはそもそも何をしているのか?
Webマーケティングを実際に行う人達の事を「Webマーケティング担当者」もしくは「Webマーケッター」といいます。仕事内容やミッションは、取り扱う商材が企業により異なるため、一概には言えないのですが、多くの場合WebサイトやWebサービスの登録者・利用者数を増やし、継続して企業が売上をあげるための仕組みをつくることです。
例えば、ECサイトを運営している企業の場合だと、ECサイトの利用者を増やし、販売数をあげていくことが求められます。
こうした目的を達成する為に、様々な施策を展開するのがWebマーケティング担当者の仕事になります。
具体的に求められるテクニカルスキルについては、以下の「webマーケティング職に転職するために必要なスキルとは?」記事で解説しておりますので、こちらをご確認ください。
ここでは、テクニカルスキルにも触れつつ、性格や人間性などの人物面を中心に見ていきたいと思います。
企業が求めるWebマーケティング担当者の人物像とは?
Webやデジタルに関する知識が求められるのはもちろんのこと、それ以外ではどのようなことがWebマーケティング担当者に求められているのでしょうか?
地味でつまらない作業をコツコツできる人。数字とExcelの活用
webマーケティング職への転職を希望される方の中には、マーケティングというと華やかでカッコいい仕事をイメージされている方がいるのですが、実際は地味な仕事が多いです。
自社の顧客や業界動向を調査し、データ分析による予測をたて、シミュレーションを行う業務がとても多いのですが、この過程において、数字・Excel(もしくはスプレッドシート)と格闘する必要が出てきます。
もちろんMAツールを活用してある程度自動化できる昨今ですが、それでも自分で仮説や数式をたて、情報を取りに行き、Excelを使って分析する機会は多いです。
Excelを使った地味な作業が嫌になり、辞めてしまう方も少なくないので、一番最初にこの手間と時間のかかる仕事が苦ではない人が向いているということを記載させていただきました。
なお、webマーケティング初心者の方やこれから目指そうという方は、Excelと数字の活用に関する考え方はとても重要になりますので、別の機会に詳しく紹介したいと思います。
コミュニケーションを嫌がらない人
Webマーケティングの担当者が情報収集や施策を実行する際、ネット上だけで仕事が完結するわけではありません。自社の営業部門や商品開発部、エンジニア、顧客等と連携して業務を進めていく必要があるのです。
各部門が持っている情報や意見を吸い上げるだけならそれほど問題はないのですが、各部門ごとにそれぞれ立場や都合があるケースも多々あり、スムーズに業務が進行しないといった問題が起こることもあります。また、各部門間の仲が悪いといったことも実際はよくあるため、業務を円滑に進めていくために、異なる考えを持った人たちをうまくまとめていかなければならないといったことも起こります。こうした、人と人との間で起こる問題を解決していくためのコミュニケーションができる人が求められます。
嫌がられることをうまくお願いできる人
先ほどのコミュニケーション能力と似ているのですが、時には他部門から嫌がられるようなことを言わなければならないことも出てきます。
集めた情報や数値を分析した結果、経営陣や他部門が意思決定し、実行している施策がボトルネックとなり売上が上がっていないと分かったケースや、何かを実施する際に他部門の労働力を借りなければならないケースがあります。
前者の場合は、いち担当者が具申することはほとんどありませんが、部門責任者の場合などは、特定の部門や人物が悪者にならないように、うまく改善策や問題点を伝える必要があります。
後者の場合、各部門ごとに通常業務があるため、横から入り込んでくるプロジェクトや業務を嫌がり、ちゃんと協力してくれないケースもあるのですが、それを行うことで、その部門や個人の売上増に繋がり、結果的に良くなるということをしっかりと伝え、プロジェクトを進める必要があります。
嫌がられたり、嫌われたりすることを恐れて、意見や提案ができなくなってしまうことは避けなければなりません。もちろん、意見を言うからには、それなりの根拠も必要なのですが、日頃から他部門の人間などとコミュニケーションをとっておくことで、なんとかなるケースも多いです。
論理的思考能力と想像力
論理的思考力と想像力の両方をうまく使って仕事をすることが求められます。
論理的思考という点でいくと、例えばマーケティング施策においてアンケート調査というものをたくさん行うかと思いますが、こうした施策から導きだされた具体的な一般解から具体的な推論を導き出すことができます。このようにアンケート調査や統計資料により具体的な推論をたてる「帰納法」という考え方と、「A=B」「B=C」という事実が存在した場合、「A=C」という事実が成り立つはずだという「演繹法」という考え方を使うケースがよくあります。それ以外にもいろいろありますが、こうした論理的思考にもとづき、商品のコンセプトや課題解決のための具体的な施策を練ることが必要になってきます。そして、こうした具体的な施策を考える際に「想像力」が必要になります。
どのようなキャッチコピーが心に響くのか、どういう売り出し方が効果的なのか、得られた事実や推論にもとづき顧客が求めていることを形にしていく必要があるのです。
こうした作業には想像力が求められるため、相手の立場にたって物事を考える癖をつけている能力を持った人が求められます。
Webマーケティング担当者の求人探し
求められる人物像やスキルについてざっと説明させていただきましたが、それでは具体的にどのように求人を探せばいいのか?またどのような求人があるのか気になるのではないでしょうか。
大手と中小で業務内容はかなり異なる
Webマーケティングといっても、大手企業のように部門としてしっかり業務が分解されていて、分業制がしかれている企業もあれば、ベンチャー企業や中小企業でありがちな、一人の担当者にすべて任せている企業まで様々です。
分業制が敷かれている企業であれば、自分の得意分野を掘り下げた業務を遂行することが可能です。例えば、インターネット広告の運用が得意な人であれば、それに特化した業務というのもあります。一方で、ベンチャー企業や小規模事業社の場合、一人ですべてを担当しなければならないケースもあります。どちらがいいとは一概には言えませんが、前者のケースであれば、総合力はなくとも、どこかの分野に強みがあれば採用されるケースはあるでしょう。一方で、後者の場合、総合力が必要になりますので、コンサルティング会社や広告代理店等で総合的にマーケティング支援を行ってきた経験が必要になるケースがあります。また、マーケティング未経験からチャレンジしたいとお考えの方の場合も、未経験でもチャレンジできる求人はあるのですが、Webコンサルティング会社や広告会社などで経験を積んでから転職するという方法をおすすめします。
いずれにせよ、マーケティング関連の部門への転職はハードルが高い企業が多いので、粘り強く良い求人に出会えるよう、求人サイト等に登録し、常に求人情報に対してアンテナを張り巡らせておくのも良いでしょう。