今回は、グラフィックデザイナーが職務経歴書を書く際に、どのようなことに気を付けるべきかを解説していきます。グラフィックデザイナーの場合は、ポートフォリオの提出も必須になりますのでそちらも軽く解説します。
職務経歴書を書く際のポイント
ポートフォリオからは見えないスキルや実績、経験を具体的に書くこと
1つ目のポイントは、ポートフォリオからだけでは見えない具体的な情報を書くことです。デザイナーという職種は専門性が強く、経験も大きく評価されますが、センスや技術、仕事に取り組むスタンスも問われる職種となってます。しかし、センスや技術に関しては職務経歴書だけで見る訳ではありません。後述するポートフォリオと呼ばれるもので見られるので、それ以外のスキルや実績を上手く伝える必要があります。
たとえば使用出来るソフトウェアの種類は多ければ多いほどアピールポイントとして記入が可能です。例えば『illustrator』や『Photoshop』だけしか使えない人よりも『InDesign』も同時に使える人の方が印象が良いケースもあります。意外とInDesignを使ったことがないという人もいるようなのですが、ページ物のデザインでなくともInDesignを使った方が効率的に制作できるケースもあります。デザイナーが使用するソフトウェアは他にもたくさんあります。使用可能なものは全て書くようにしましょう。しかし、ただ使えるとだけ書くよりも、どのバージョンが使えるのか、操作環境についても可能な範囲で書いた方が良いでしょう。
スキルを書いたら、次は過去に関わったプロジェクトや担当した業務による実務経験や実績を書きます。どういった仕事に携わってきたのか、どういったデザインや提案をしてきたのか、などを書いていきます。これも詳しく書かなくては意味がないので、しっかりと書き出す努力をしましょう。
どのクライアントから依頼を受けたか、どの媒体での制作だったかなどをまとめます。実績に関しては、数字や自身が提案を行ったものがあればそれも記載して書くようにしてください。そういった具体的な情報が、相手側にも伝わりやすいのです。
職務経験から自己PRする
2つ目のポイントは、職務経験から自己PR出来る部分を書き出すことです。技術やセンスは確かに必要ですが、それと同じくらいに大事なのがコミュニケーション能力や忍耐力、提案力になります。指示されることもあれば、指示をだすこともある、毎日のように企画担当者やクライアントと会議をする会社もあるくらいです。こういった人間性の部分も見られるので、自分の人間的な強みは何か伝えましょう。
グラフィックデザイナーとしての工夫や強みを書く
3つ目のポイントは、デザインするにあたって独自の工夫や強みを書くことです。いわゆるスキルや実績以外での強みですね。たとえば流行のデザインだったり、新しいソフトウェアの登場など、色んな要素が毎日のように変化しています。そういった最新の情報収集に日々取り組んでいることは強みになるので書くべきです。
また、自分から提案して採用された企画やデザイン、コンセプトなどのデザイン以外で何か成果をあげたことがあれば、それらも記載しましょう。
ポートフォリオにの書き方についてのポイント
ポートフォリオで見られるのは、あなたのセンスと技術、ビジョン、そして『必要な人材だ』と会社側に印象付けるくらいの強みです。しかし、こういったポートフォリオを用意するのは容易なことではありません。そこで、簡単にですがポートフォリオの提出に気を付けるべきことを解説します。
提出企業ごとにコンセプトを設定する
グラフィックデザイナーを必要とする企業と言ってもいろいろな会社があります。格闘ゲームを中心に開発しているゲーム会社もあれば、企業の広告の企画提案を中心に行っている広告代理店、商業印刷物を中心に制作を行っている印刷会社など、企業によって特色があります。まずは、その会社に自分のコンセプトに合っているのか考えましょう。会社に伝えるべきなのは、あなたの人となりやスキル、ビジョンです。
自分のポートフォリオを見ることによって、会社側がどう評価してくれるのかを見極める必要があります。筋骨隆々の男達が戦うゲームを主に作ってる会社に、可愛い女の子の絵を持って行っても、正当な評価は得られない可能性があります。それは、その会社のコンセプトと合ってないからです。
一番良いのは自分のコンセプトに合った会社を受けることですが、コンセプトが違うけど、どうしたも受けたい会社がある場合はポートフォリオの構成を大胆に変えていくのも手だと思います。しかし、人には得意不得意があります。出来ないことを頑張るのではなく、出来る部分でコンセプトに近付けるように工夫しましょう。企業側が課題を出してきたら、それに従って提出すれば大丈夫です。
あなたのスキルのみならずコンセプトや人となりまでをポートフォリオで伝えるためには、あなたがどのように考え、どのようにその仕事に取り組んだのか?という一連のプロセスまで記載することで、人物像まで伝えることができますので、そこも意識してください。
ポートフォリオは全体の構成も重要、担当者の心を掴まえる
企業の人事担当者はたくさんの作品を見ています。限られた時間の中で見ているのですから、一つひとつをじっくりと見るのは困難です。そこで大事になってくるのが、全体の構成です。
ポートフォリオに作品をのせるさいも、ただの羅列になってしまってはいけません。きちんと事前に会社のことを調べ、意図をもって構成する必要があります。
例えば、ゲーム会社のグラフィックデザイナーの求人に応募するのであれば、最初にのせる作品はゲーム会社が求めているであろうコンセプトと合いそうな作品を持ってくると良いでしょう。
最初のページで担当者の心を掴まえ、『この人の作品をもっと見てみたい!』と最初に思わせ、次ページ以降で自身の持っているスキルや自分のビジョンを補完するような作品をもってくることで、応募意欲が高いことも伝わりますし、あなたのスキルや考えも伝わるでしょう。
こういった工夫をすることで転職成功への一歩となるのです。
グラフィックデザイナーの職務経歴書・ポートフォリオの書き方のまとめ
クリエイターの中には、しゃべるのが苦手という方もおり、面接でうまく自分の考えを伝えることができないという方もいます。そういう方は特にポートフォリオや職務経歴書できちんとあなたを表現できるようしっかり構成してください。
グラフィックデザイナーは人気のある職業のためライバルも多いです。
職務経歴書やポートフォリオの時点で、他の応募者と差をつけられるように気合を入れて作りましょう!