ゲーム業界におけるUIデザイナーの役割とは【ゲーム業界におけるデザイナーの転職事情】

UIデザイナーとは

UIデザイナーとは、コンピューターシステムにおけるユーザーインターフェースのデザインを担当する職種のことです。UIデザイナーのUIは、UserInterfaceの頭文字を表しています。

ユーザーインターフェースとは、コンピューターシステムと、その利用者である人間との間で情報のやりとりをするための方式のことです。情報の表示形式、ユーザーの入力方法、入力に対するコンピューターの反応など、様々な要素が組み合わさることで構成されます。

UIデザイナーの仕事は、そうしたインターフェースに関する機能を、ユーザーにとって使いやすいものにデザインすることです。ユーザーが操作に慣れていなくても、直感的にわかりやすく必要な動作を行うことができるデザインの設計を目指します。

例えば、インターネットのポータルサイトであれば、ユーザーが見つけやすい検索ボタンの配置、興味を持ってクリックするようなコラムの見出しの位置、ポータルサイトの利用者層が好むようなページレイアウトの構築、などがUIデザイナーの仕事になります。
UIデザイナーは、ユーザーに最適なインターフェースを考案することで、商品やサービスの完成度を高めるとともに、コンテンツに対するユーザーの満足度を高める役割を担っています。

ゲーム業界におけるUIデザイナーの業務

ゲーム業界のUIデザイナーの仕事は、メインメニュー、キャラクター選択画面、ステータス画面など、ゲームに表示される各種の情報の配置や動きをデザインすることが主な業務になります。
また、ゲームにおけるインターフェースは、その世界観をユーザーに伝えるという役割も担っています。例えば、中世風のファンタジーの世界を舞台にしたゲームと、遠い未来の宇宙を舞台にしたゲームでは、雰囲気を高めるためのレイアウトは異なってきます。

特に、RPGにおけるステータス画面など、ゲームの性質上何度も呼び出して操作することになる画面のレイアウトや操作性は、ゲーム自体に対するユーザーの評価にも大きく影響を与える部分になります。

ゲームのシナリオやグラフィックなどが優れていても、ゲーム自体の操作性が不便な場合は、ユーザーの満足度は高まりません。そのため、UIデザイナーの仕事はゲームの完成度に大きな関わりがあります。

シナリオのプランナーやキャラクターデザインなどに比べると、ゲーム業界におけるUIデザイナーの業務は地味な仕事のように見えますが、実際にはUIデザイナーが果たす役割は非常に大きいのが特徴です。

昨今のゲーム業界は、スマートフォンを利用したソーシャルゲームがビジネスとしての大きな流れになっています。そこでは、通勤の合間などの空いた短時間にアプリとしてゲームをプレイするが、ゲームの専用機ではほとんど遊ばない、というライトユーザー層が非常に多くなっています。

そうした不慣れなユーザーが夢中になれるような満足度の高いゲームの条件として、優れた操作性が挙げられます。マニュアルを読まなくても遊び方が直感的に理解できて、簡単な操作で自分が思う通りにゲームを進めることができる、優れたインターフェースを構築することがゲーム作りにおいて重要な業務となっています。

ゲーム業界のUIデザイナーに必要な技能

UIデザイナーは、クライアントやディレクターがゲームに求める世界観を引き立てるようなインターフェースを構築することが重要な仕事になります。そのためには、ゲームデザインに必要な情報を的確に聞き出して把握する能力が重要になります。

次に、ゲームの世界観に沿って最適なインターフェースデザインを提案するためには、感性や直感力も重要になってきます。自分が担当するゲームについての深い理解力も、ユーザーの満足度の高い魅力的なシステムを構築するための鍵になります。

UIデザイナーはプログラミング自体は必須技能ではありませんが、HTML、JavaScript、PHPなどの基本的なプログラミング言語についてはできる限り知識を吸収しておくと、他のデザイナーやプログラマーとの円滑なコミュニケーションにつながります。

その他、UIデザイナーとしてのポテンシャルを高めるような技能や資格としては、エディトリアルデザイン、カラーコーディネーター、色彩検定などがキーワードになります。また、立体的なグラフィックを構成するVRの技術が発達し、それを流用したゲームも増えていることから、空間的なグラフィック技能についての知識を蓄積することも重要になってきます。