セキュリティエンジニアの転職とキャリアパス

2018年1月に大手仮想通貨取引所において不正アクセスが発生し、約580億円相当の仮想通貨が流出してしまうという事故が起こりました。社会における情報セキュリティの重要性が改めて再認識される事例となったことは言うまでもありません。これら情報セキュリティの一端を担うセキュリティエンジニアの実態について、転職を考えている方の参考になる概要を説明致します。

セキュリティエンジニアについて

セキュリティエンジニアとは

セキュリティエンジニアは、企業における情報資産を守る為の対策を行うことが主な業務内容となります。
企業における情報資産とは、顧客情報や機密情報などが該当します。これらの情報資産を、外部からのハッキングやウィルスなどによる攻撃、また、意図したしないに関わらずシステムから情報資産が流出することから守ることが仕事です。

セキュリティエンジニアの仕事とキャリアパス

セキュリティエンジニアの仕事は大きく3つに分類されると考えられます。

○ セキュリティ技術を行う(エンジニア系)
暗号化や認証、そしてウィルス対策などの開発実務を主に行う。

○ セキュリティの分析を行う(アナリスト系)
ログ解析やフォレンジックなどのセキュリティ事象の分析や解析を主に行う。

○ セキュリティの施策を行う(コンサル系)
企業におけるセキュリティーポリシーの策定、その運用方法などの施策を主に行う。

そして、キャリアパスとしては、エンジニア系→アナリスト系→コンサル系というステップが多くある1例として考えられます。コンサル系に至っては、企業経営層とのコミュニケーションを取りながら、実務にあったセキュリティ施策を行う必要性があり、経験を積んだベテランになっても活躍の場が広がるフィールドだと言えます。

セキュリティエンジニアへの転職

セキュリティエンジニアに求められるスキル
近年では、システム開発のエンジニアやインフラエンジニアにもセキュリティを考慮した開発や構築が求められることが当たり前になりました。その中でもセキュリティエンジニアは、開発はもちろん、ネットワークやサーバーなどのインフラ面、システム運用環境など幅広い知見が必要となります。

セキュリティエンジニアへの転職に役立つ資格

セキュリティエンジニアへの転職を考えるにあたり、役に立つ資格を紹介します。セキュリティエンジニアへは資格が無くとも転職は可能ですが、どれも実際の実務に役に立つ資格ばかりです。

○ シスコ技術者認定資格 CCNA Security/CCNP Security
シスコ社が行う、いわゆるIT系ベンダー資格です。世界共通の資格でもあり、外資系企業において
しっかりと資格の価値が認識されている点が特徴的です。但し、受験料が高いことや合格から3年で資格が失効してしまうことがネックではあります。

○ IPA情報処理技術者試験(情報セキュリティマネジメント)
日本国内でのみ通用する資格ではありますが、IPAが主催している資格であり、資格の実用性は保証されているといえます。同じくIPAが主催している基本情報技術者試験と同レベルの試験でもあり、これからセキュリティエ一歩と考えても良いかと思います。

○ IPA情報処理安全確保支援士
こちらもIPAが主催する資格ではありますが、特徴的な点は、IT系資格としては初めて「士業」となっている点です。2017年4月より開始されたばかりの新しいものではあり、今後の評価は行方を見守りたいというところですが、国家資格としてその将来性は明るいと予測される声が大きいです。難易度はレベル2に該当する既存「情報セキュリティスペシャリスト」をベースに上位資格としてレベル4に位置づけられており、高い難易度となっております。

セキュリティエンジニアの需要と将来性

セキュリティエンジニアも人手不足

IT業界はもちろん、社会全体において人手不足が叫ばれていますが、とりわけセキュリティエンジニアは人手不足な状態です。また、今後進展することが確実視される社会のIoT化は、セキュリティエンジニアへの需要をさらに高くすると予測されております。

セキュリティエンジニアの給与について

セキュリティエンジニアの給与は一言では言い表すことは困難です。資格やスキルによって大きく異なってしまう為です。例えば代表的な資格による年収例を紹介します。(企業の規模などによって異なります)

○ CCIE、CISMの保持者の年収:約700万以上程度が目安となります。

繰り返しとなりますが、あくまで一例ではあります。その他、外資系を中心に1,000万を超える年収を出す企業も多くあり、経験やスキルのあるセキュリティエンジニアの給与は高額と考えても良いと思われます。

セキュリティエンジニアの転職とキャリアパスのまとめ

・セキュリティエンジニアとは企業における情報資産を守る仕事を行う
・セキュリティエンジニアは、「技術系」「分析系」「コンサル系」に分類される。コンサル系は高齢に
なっても活躍のフィールドが多い。
・セキュリティエンジニアは、ITの幅広い知見が求められる。
・セキュリティエンジニアの将来性は明るい。社会のIOT化は益々セキュリティエンジニアの需要を活発化させる。

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