エンジニアの需要は増加する一方? IT・エンジニア業界の将来性について

IT業界で働くエンジニアについて、未来の仕事の需要や将来性について不安を感じることがあるかもしれません。

結論からいえば、様々な要因によって、エンジニアの需要はこれからも高まっていくことが予想されます。同時に、最新のテクノロジーの発達によって、それに関連するIT分野の将来性も期待できます。

以下、エンジニアの需要がこれからも高まっていく要因を分析していきます。

景気・市況による需要の増加

多くの業界がそうであるように、IT業界の需要も景気の動向に左右されます。日本国内の景気については、平成22年以降、穏やかな回復が続いている状況にあります。

平成30年の経済の見通しについては、民需を中心とした景気回復が見込まれるとの閣議決定が発表されています。

また、新聞社が国内の主要企業に実施したアンケートでも、対象企業の8割以上が国内景気が拡大していくと回答しています。

景気が穏やかに回復していくことによって、ITに関する投資も増加していきます。投資によって事業や設備の規模が拡大し、それに対応するための人員の補充も必要になってきます。

そうした理由から、景気の回復にともなって、IT業界で働くエンジニアの需要も増加していくことになります。

労働人口の減少による需要の増加

ITエンジニアは仕事の需要に比べて人材の数が慢性的に不足している状況にありますが、それは年々深刻化していくことが予想されています。

経済産業省が2015年に実施したIT人材に関するアンケート調査では、現状ですでに約17万人の人材が不足していることに加えて、2030年には不足人数が約59万人まで跳ね上がるという予測結果が出ています。

これは、少子高齢化の進行によって国内の労働人口が減少していくことから、その影響を受けて、慢性的に人手が足りないIT業界の人員不足の状況がさらに加速していくことを示すものです。

人員が不足している状況がさらに深刻化していくことは、労働時間の増加などの様々な問題をはらんでいます。しかしながら、エンジニアの需要という点に限って言えば、増えこそすれ減ることはない、ということになります。

また、IT業界の人員不足については、政府や企業が不足の解消に向けて様々な取り組みを行っている段階にあります。

政府はエンジニアの認知度やイメージを向上するために、小学生などが遊びを通してプログラミングなどを学ぶ機会を積極的に確保しています。

企業においても、いわゆる3Kなどの暗いイメージを払拭するために、労働時間や福利厚生の見直しや、女性エンジニアのための保育施設を設けるなどの工夫を施しています。

将来的には人員不足が解消されつつ、それ以外の要因によって需要も引き続き高まっていく、という明るい展望も見えてきています。

企業の業務効率化・自動化に向けたシステム投資による需要の増加

企業の経理業務や事務作業などの単純業務を効率化・自動化していこうという動きが活発になっていきています。AIやRPAなどの導入を進めている企業も徐々にではありますが増えてきており、AI・RPAなどに関するエンジニアの需要は今後も増加が見込まれています。

育成環境の不足によって経験者枠の需要が増加

IT業界の慢性的な人材不足の要因の1つに、余裕を持って新人を育成していく環境が十分に整っていないことがあります。

こなすべき業務と比較して人員の数が足りないことが常のため、まずは目の前の業務をこなしていくことが優先されます。業務につぐ業務という環境によって、人材の育成はどうしても後回しにせざるを得なくなります。

企業の内部で新人を育てる余裕がないことから、IT業界において募集される求人の内容としては、ポテンシャルよりも培ってきた経験を重視する、即戦力の経験者を募集する案件が非常に多くなっています。

このことから、ITエンジニアは経験年数が多ければ多いほど需要が高まる、という傾向が強くなります。具体的には、10年以上の経験者はそれだけで高く評価されやすくなりますし、数年程度の経験でも豊富な需要が期待できます。

一方で、未経験者の場合は経験者に比べて就職先を見つけることが難しい状況にありました。ただ、昨今は未経験者の採用も増えてきており、研修制度や教育環境を整えている企業も増えています。

昨今のIT分野におけるトレンドとしては、人工知能、ビッグデータ、IoT、ブロックチェーンなどの新しいテクノロジーを用いた分野が大きく注目されており、それらに関する需要も高まっています。

業界での経験が不足している場合は、こうした先進的な分野についての知識や技術を積極的に吸収していくことが、将来のキャリア形成に大きく役立つことになります。

エンジニアの需要という視点では、今後、ますます必要とされる職種であることからこれからも伸び続けていくでしょう。
しかし、求められるスキルや能力は年々変化してきており、転職や就職を考えた際は今後どのようなスキルが必要なのか?自身はどういった仕事をしていたいのか、しっかりと棚卸をして転職活動をしましょう。

なお、IT業界の今後の転職市況や動向について詳しく知りたい方はエージェント等から情報収集することも重要です。当サイトでもIT・Web業界の転職でおすすめのエージェントなどを紹介していますのでご参考ください。