エンジニアに求められるコミュニケーション能力とは?コミュニケーションが苦手な人はどうすればいい?

就職や転職活動で、企業から求められる能力の上位に入るものが「コミュニケーション能力」。

就職活動、転職活動で、もう聞き飽きたという人も多いかと思います。

しかし、「コミュニケーション能力」とひとくちに言っても、その定義はさまざまです。
トークが上手い、空気が読める、協調性がある、適用力がある、これらも「コミュニケーション能力」といえるかもしれません。

では、「エンジニアに求められるコミュニケーション能力」とはどのようなものなのでしょうか。

エンジニアに必要なコミュニケーション能力

外向きなコミュニケーション能力と内向きなコミュニケーション能力

外向きなコミュニケーション能力が、他者を話術で楽しませることができる、プレゼンテーションが得意、表現の強弱で演出を作れる能力とした場合、内向きなコミュニケーション能力は、他者に自分自身の考えやアイデアを伝える、他者の考えやアイデアを聞くことが出来る能力になるかと思います。

エンジニアにとって必要な能力は、どちらかといえば後者の内向きなコミュニケーション能力になります。

チームで仕事を行うことが多いエンジニアという職業は、この内向きなコミュニケーション能力が何より大事です。

転職市場において、エンジニアに求められるのは技術力です。

ただ、仕事を進めるうえで、自分の考えていることを相手に伝え、そして相手の考えていることをしっかり聞くことができないと、いくら素晴らしい技術を持っていたとしても満足のいく製品やサービスを作ることができません。一人で仕事をするわけではありませんので、一緒に仕事をする他のエンジニアやデザイナー、営業担当の考えや思いも理解する姿勢をもち、お互いに理解しあう努力をすることは必要です。

経験の浅い方やはじめて転職活動をされる方の中には、企業が求めるコミュニケーション能力というと、飲み会などで場を盛り上げることができるとか、笑いがとれる、プレゼンで流暢に格好良くしゃべることができるといった外向きなコミュニケーション能力を思い浮かべる方が多いようです。

もちろんそうした能力が必要になる場面もありますが、エンジニアに限ったコミュニケーションというと、そうしたものは得意でなくても大丈夫なケースが多いです。

ただし、内向きなコミュニケーションはしっかりと心がける努力をしましょう。

視野を広く持てるコミュニケーション能力

システム開発の現場は、チーム内で作業分担により仕事を進めていきます。当然、進捗度合いに差異が出てくる、技術力が人によって異なるというシーンが発生します。自分自身の仕事だけではなく、周囲の状況を見て、時には助けてあげるというコミュニケーションがとれるか、全体の状況を見て、先回りした行動がとれるか、俯瞰した視野を持てることが大事です。

エンジニアからプロジェクトリーダーにステップアップしていく上では必ず必要となる能力です。

ついやってしまう間違ったコミュニケーション

自分自身が興味のあることや得意なことに関してのみ饒舌になってしまう人

エンジニアに限った話ではありませんが、よく好きなアイドルの話しになると、周りが見えなくなって、相手がついてこれていないのにどんどん話をしてしまう人をイメージするとわかるかと思います。

一方的に自分の技術や知識をひけらかすことはコミュニケーションではありません。
エンジニアにおいても、技術的な話になると、専門用語を並べ、一人で早口にしゃべりすぎてしまう方が時折いらっしゃいます。開発現場でも、エンジニア以外の人とコミュニケーションをとる機会があるかと思いますので、相手がしっかり自分の話を理解できているか、注意することを心がけましょう。

正論にこだわる人

普段の生活においてもそうですが、システム開発のシーンにおいて、必ずしも「正しいこと」「するべきこと」などの正論が通るとは限りません。システム開発においては、予算的な制約・時間的な制約・社内の状況などにより、仕事の質を優先させるのか、仕事のスピードを優先させるのか、舵取りが変わってきます。
正論にこだわり、正論を議論に持ち込んで他の意見を両断してしまうような、他者の状況を顧みないような行動をしないように注意しましょう。

もちろん間違っていると思ったことを指摘したり質問したりすることは悪いことではありませんが、プロジェクトの状況やその他の担当者の立場も理解して話をすることも重要です。

相手の立場にたってものごとを考え、伝える癖をつけておくとよいでしょう。

エンジニアが工夫したいコミュニケーション能力

喋ることが苦手で、内容が複雑になると、頭では理解しているが「会話だとうまく論理展開できない」と悩むエンジニアの人は多いようです。

すぐに改善できる問題ではありませんので苦しいとは思いますが、仕事の場においては、いくつかのポイントを押さえておけば大きな問題はありません。

伝え方を工夫

仕事の場で本当に必要なことは、論点を正しく整理して相手にキチンと正しく伝えることです。例えば、図や絵を用いることで、視覚的に相手にイメージを伝えることができます。

喋るという行為は図解に対する補足という形で取り入れるとうまくコミュニケーションが取れます。言葉だけだと上手に伝えられないという方は、ノートやホワイトボードなどを活用して、図解を取り入れてみましょう。私は図解を取り入れてから、相手にうまく考えを伝えられるようになりました。

聞くことに徹する

会話のペースを掴めない、相手を考えすぎて会話が出来ないという人はエンジニアに限らず多くいます。

打ち合わせなどの場では、聞くことに集中し、質問したい内容や確認したい内容が複雑になりそうな場合は後からメール(チャットワークやSlackなどのツール)をするという方法をとります。

そもそも、システム開発の現場は、言葉や解釈の食い違いというシーンが多く発生しがちです。本来であれば、このやり方が正しいコミュニケーションなのかもしれません。

また、多くのエンジニアの方は、テキストベースのアウトプットだととてもわかりやすい文章を作る方が多いです。そのため、後から与件や疑問点をまとめて報告させてくださいという方法を取るのも手段です。こうしたことを繰り返しているうちに、打ち合わせの場でもうまく対応できるようになってきます。

ツールを使ったキャラクター伝達

コミュニケーションが苦手な場合、自分自身のキャラクターを他者に理解して貰うことに時間を擁します。

また、異なった理解を他者に与えてしまうこともあるかと思います。システム開発の現場では、SlackやLINEワークス、チャットワークなどのコミュニケーションツールを使っている場合が多くあります。

サムネイル画像や、自己紹介文などで、自然とあなた自身のキャラクターを伝えてみても良いかと思います。好きな音楽や趣味などがあれば、サムネイルに関連する画像を用いるなどして、キャラクター伝達の助けにしてみてください。潤滑な人間関係の構築はシステム開発の現場において重要なことです。

私は鉄道が好きなので、鉄道関係のものを出していますが、思いもしない方と接点を持つこともあり、共通の話題ができ、仕事がしやすくなることもありました。

転職先は注意する

昨今エンジニアを必要とする企業は増えており、ITやweb業界のみならず、一般事業会社でもエンジニアを採用する動きがあります。

ここで注意が必要です。
例えば営業中心の企業の場合、会社によっては技術力ではなく組織人としてのコミュニケーション能力を求める企業もあります。

つまり、外向きなコミュニケーションスキルを求めてくる企業もあるため、ここに自信がないかたは注意した方がよいでしょう。例えば営業部の責任者が兼務して上司となる企業などは、この傾向があります。必ずしも理解がないわけではありませんが、面接などを受けに行けばなんとなくわかる部分ではあります。

エンジニアに必要とされるコミュニケーション力まとめ

企業文化や業界、ポジション(管理職なのか)等によるところもありますが、外向きなコミュニケーションが苦手だからといってネガティブになる必要はありません。内向きなコミュニケーションがしっかりとできるように努力することを心がければ、多くの企業でコミュニケーション能力が問題となることは少ないでしょう。

なお、転職においてコミュニケーションの部分で不安があるという方はエンジニアの転職実績が豊富な転職エージェントを利用して相談することで、不安が解消されるケースも多いことから、利用を検討してみても良いかと思います。