システムエンジニアの年収はどのくらい?

今回はシステムエンジニアの年収について解説していきたいと思います。

システムエンジニア(SE)の仕事内容は?

システムエンジニア(SE)は、システムの設計、開発、テストを行う職種です。実際にプログラムを作成するSEも多くいますが、プログラムの作成だけでなく、主に上流工程と呼ばれる設計部分を中心に担当します。

まず、クライアントからの要求事項を分析、要件定義を行った後、基本設計としてシステムをどういう構成にするかを決めます。その後、各プログラマがプログラムできるように仕様としてブレークダウンする仕事を行います。

各プログラマは自分の担当分のテストを行いますが、それらのプログラムを結合してシステムとして正常に動作するかを確認するのもSEの仕事になります。システム構成を決めてプログラマに仕事を割り振るスキルが必要なため、プログラマを経験した人がSEとなるケースが多いです。

システムエンジニア(SE)の年収はどれくらい?

厚生労働省が公開している賃金構造基本統計調査から、年収を調べることができます。
賃金構造基本統計調査は年代別、男女別に掲載されています。

年収ではなく、月給(きまって支給する現金給与額平均)とボーナス(年間賞与そのた特別給与額平均)が掲載されているので、今回は年収を「月給×12+ボーナス」として計算することにします。

システムエンジニアの平均年収の横に()付で記載したのは、プログラマの平均年収です。

システムエンジニア 男性の年代別平均年収

20代:396万円(392万円)
30代:561万円(465万円)
40代:632万円(536万円)
50代:681万円(565万円)
※()内はプログラマの平均年収。

システムエンジニア 女性の年代別平均年収

20代:351万円(331万円)
30代:504万円(412万円)
40代:531万円(455万円)
50代:614万円(495万円)
※()内はプログラマの平均年収

プログラマの年収同様に男性の方が40~70万円高いことがわかります。40代~50代にかけても給与の上昇が続く結果となりました。これは、40代になってプログラマからSEに移った人が多く、そのあとも成長している(成長が見込める)のが要因と考えられます。
逆に20代~30代では給与の上がり方が鈍くなっています。20代はプログラマが多く、SE自体が少ない、また経験が不足しているので、年収が低く設定されていると考えられます。

次に企業規模別でみてみます。同じようにプログラマーの平均年収を()付で記載します。
企業規模が10~99人:511万円(378万円)
企業規模が100~999人:527万円(411万円)
企業規模が1000人以上:605万円(534万円)

プログラマは企業規模によって平均年収が大きく異なりましたが、システムエンジニアはあまりかわりません。これは、システムエンジニアをできるのはある程度経験を積んだ人になるので、若いシステムエンジニアが少ない。そのため、企業規模が違っても平均年齢はあまり変わらないのが要因として考えられます。

稼げるシステムエンジニア(SE)は何が違う?

優秀なSEの中には、プログラムに関してあまり知識がない人もいます。もっとも大事なのは課題解決力、ビジネスへの適用力、コミュニケーション力です。

開発テストを行うと少なからずトラブルや問題が出てきて課題が発生します。トラブルを想定し、事前に対策を行っておけば、実際にトラブルが起こってもその対応にかかる時間を減らすことができます。そのために必要なのは課題解決力であり、ロジカルシンキングです。課題を早期に解決することで、開発の遅延を防ぐことができます。

次に必要なビジネスへの適用力ですが、クライアントからの要求をそのままうけとるのではなく、なんのためにその要求があるのかを考えること能力が求められます。ビジネスとして利益を創出するために、最適な仕様をクライアントに提案できる能力が求められます。そのためにはクライアントがかかわるビジネスを十分理解し、自ら考え、システムについて詳しくないクライアントに対して専門家の立場から逆に仕様を提案する能力が求められます。

コミュニケーション力は、各プログラマの状況を把握し、情報を整理して開発をすすめることができることです。

プログラマの責任にせず、自分の責任で開発を推し進めることができる人にプログラマはついていきます。

また、プログラマも仕様を受け取るだけでなく、さらに良いシステム構築のために、提案をするような開発を行うことができます。

これによって、開発自体のレベルが高くなり、最終的にはクライアントが満足するシステム構築につながります。

このように稼ぐことができるSEは、単に要求仕様を設計仕様にブレークダウンするだけでなく、専門家として提案ができる人材です。

意外と当たり前のことだったりするのですが、この当たり前ができない人がどの職種でも結構多いのです。
プログラマからの提案をうけ、さらに良いシステムを構築できるような開発を取りまとめることができる人が稼げるSEとなっています。

現状の年収が適正かどうか、年収を上げていくには具体的にどうすればいいか、どういった先で働くのがいいかなどお悩みの場合においてはエンジニアに強い転職エージェントなどから情報を得ることで、知ることができますので、利用を視野に入れてみると良いでしょう。