エンジニアの転職・求人の動向

エンジニアの転職市場は、現在非常に好調な状態が続いており、この傾向は引き続き2018年以降も続くと分析されています。これは従来からのシステム開発などの業務に加えて、新たな分野への展開が拡大していることによるものです。

ここでは、エンジニア向けの求人情報とエンジニアの転職マーケットについて解説したいと思います。

エンジニアの転職や求人の動向について

ITエンジニアの転職動向は、非常に好調な状態です。しかし、ITエンジニアといってもさまざまな種別に分かれます。
まず、ITエンジニアの中でも、分野によって多少状況が異なっています。

・好調なもの:サーバーエンジニア、データベースエンジニア、アプリケーション開発エンジニアなどほぼすべて
・好調でないもの:COBOLエンジニア、ネットワークエンジニア(ネットワークしかできない)など

「好調でないもの」は、例えばCOBOLエンジニアのようなニーズ自体が少なくなってきている例が該当します。また、ネットワークエンジニアは、転職市場において、需要そのものはまだ高い水準にありますが、クラウド技術の進歩などでネットワークとサーバーなど複合した技術や知識が重宝されるようになってきているため、従来のような「ネットワークだけ」といった人材は少しずつ厳しくなっていることからこのように記載させていただいています。

このように、概ね好調だが、一部にはそうでないところが見られるというのが現状です。

この先のエンジニアの転職マーケットは?

現状、IT関連の転職・求人の動向は、COBOLエンジニアやネットワークエンジニアといったところでは減少しつつも全体として好調な状態を維持しています。

では、その流れは今後も続くのでしょうか。

好調な分野、不調な分野

現在、IT関連の求人が好調な要因は、IoTやAI、フィンテックなどの新しい分野への展開が始まっていることなどを踏まえて、慢性的な人材不足に陥っていることが挙げられます。経済産業省の2016年の調査では、2015年時点ではIT人材の不足は17万人とのことですが、これは2030年には78.9万人にまで膨れ上がるとの推計がなされています。

さまざまな産業の中でIT化が進むことが今後予想され、そういった中で、IT人材の需要は引き続き高止まりで推移するものと考えられます。

ただし、今後のIT分野の仕事の中には、増えていくものと減っていくものがあります。例えば先ほど少し触れたCOBOLなどは将来にわたって再び幅広く利用されるようになることは考えにくいでしょう。

そういった意味で、今後需要が減っていく、あるいは求められるスキルが変わっていく可能性が高いのは、以下のようなものです。

・サーバーエンジニア:クラウドのエンジニアに需要が移る

これは、ある意味で思い切った意見かもしれませんが、従来物理サーバーなどの機器を用いてシステムを構築し運用してきたのがサーバーエンジニアですが、クラウド化の流れとともに、物理サーバーの企業利用が減っている現状を踏まえています。ガートナージャパンの2017年の報告では、日本企業のクラウド採用率は16.9%と、決して高くありませんが、企業の採用意欲は高くなっており、今後はさらに伸びることが予想されます。これを踏まえると、サーバーエンジニアはクラウドを扱うことが出来るようになることが必須であると言えます。

このように、今後ともIT人材の需要は高いまま推移することはほぼ間違いないと考えられますが、その分野ごとには需要が減る人材も出てくることでしょう。

2018年現在のITエンジニアに対する求人は非常に好調な状態を維持しています。AIやフィンテック、IoTなど新しい分野への展開が始まる中、慢性的なIT人材の不足もあり、今後ともこの好調な状態は当分続くことでしょう。

しかし、すべての求人が好調を維持できるかというとそうではありません。常に業界のトレンドと今後の方向性を見定めておくこともエンジニアとしての生き残りを図る上でとても大切なことです。

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