インフラエンジニアの転職マーケットは売り手市場が続いています。
近年、AWSを始めとするクラウドサービスの進化やスマートフォン向けゲームの需要増加に合わせて、特にコンシューマー向けのサービスを展開する企業でインフラエンジニアの需要も高まっています。
それに伴い、セキュリティに強いエンジニアの需要も高まりつつあり、転職市場は活況です。
ここでは、主にインフラエンジニアに関連する求人情報や求人動向について見ていきたいと思います。
インフラエンジニアのお仕事とは?
インフラはインフラストラクチャーの略で、土台を意味します。これまでは、道路や水道など産業基盤となる設備のことを指していましたが、現在は、ソフトウェア・データ・ネットワークが円滑に作用するための設備を意味するようになりました。
インフラエンジニアは、この設備を構築・保守・運用するのが主なお仕事になります。
プログラマが良いパフォーマンスを発揮できるようにその環境を用意、調整します。
いくら高性能な電車があっても線路がなければ電車は走ることができません。
それと同じでいくら良いソフトウェアがあってもソフトウェアが動作する基盤がないと使うことができません。
インフラエンジニアはソフトウェアを効率的に動作させるために欠かすことができません。
インフラエンジニアは上位レイヤーのサーバーエンジニアの業務を把握し、ネットワークの全体設計、パフォーマンス最適化のためのチューニング、ネットワークの管理や監視、負荷を分散させる、データベースの構築や仮想環境の構築、サーバートラブルへの対応というように非常に幅広い業務を行っています。
インフラエンジニアの転職市場動向
インフラエンジニアも他の職種と同様に、求人が堅調で需要が供給を上回る売り手市場となっています。
特にITでは様々なデータを蓄積するビッグデータを中心にAI関連の需要やクラウドサービスや仮想化といった新しい技術がでてきたため、それらのサービスを実現するためのインフラ整備も必要となっています。
また、ソーシャルゲームアプリのリリースも続いており、一度タイトルがリリースされるとそのサービスが継続されるインフラエンジニアが必要となります。
このような状況なので、今後も各企業からの需要が増えることが予想されています。
インフラエンジニアは他の業種とは異なり、転職回数が多くてもスキルがあれば問題はありません。
インフラエンジニアとして、Linux、UNIXサーバの設計・構築経験が必要で、半年から2年程度の実務経験があれば、転職できる可能性は高くなります。
「LAMP環境」や「LEMP環境」とよばれる、インフラエンジニアが作業する際によく使われる環境があります。
LAMPは前述のLinux、Apache、MySQL、PHP(PerlやPhthon等)の頭文字をつなげたもので、LEMPはWebサーバーにApacheではなくNginxを使っているものです。これらのスキルを習得していれば、転職活動も有利に進めることができます。
経験がなければ、転職が難しいかというとそういうわけでもありません。
インフラエンジニアは専門知識が必要なため、ハードルは高く、かつ多数いるソフトウェア開発とは少し異なる分野になるため、経験者の絶対数が少ない状態です。
そのため、経験者の採用だけでなく、未経験者も採用して、インフラエンジニアとして教育、成長させることを念頭においた求人をだしている企業も増えています。
教育カリキュラムを組み、社内独自の教育を行ったり、外部の企業に教育をうけにいったり、教育する環境も整いつつあります。
現在は、求人も豊富にあり、未経験者でもインフラエンジニアをしたいと意欲があれば、チャレンジしてみる価値がある状況です。
インフラエンジニアとしての知識や経験を積むことで、できる仕事の幅を大きく広げることができます。
どうやってインフラエンジニアへと転職している?
インフラエンジニアの仕事は幅広く、前述のLAMPやLEMP環境のスキルを習得するだけでなく、サーバーエンジニアやフロントエンジニアの業務への理解もある程度必要なため、サーバーエンジニアやフロントエンジニアを経験してからインフラエンジニアに転職する方も多数いらっしゃいます。
別の分野で開発経験を積んだエンジニアが次のステップとして転職するケースも多いのですが、未経験者の場合、保守・運用業務から担当するケースが多く、その間に技術的な部分のスキルを身につけることができるため、インフラエンジニアとして転職するということ自体はそれほどハードルが高いものではないのが現状です。
業界そのものも未経験という方もいらっしゃいますが、そのような方の場合、スクール等で勉強し、資格を取って転職活動に臨む方もいらっしゃいます。ただ、資格が無くてもできる仕事ではありますので、早いうちに業務経験が積める環境へと転職されるのが良いでしょう。
インフラエンジニアのキャリアパス
管理職になるのかスペシャリストを目指すのか。コンサルタントという道も
他の職種も同様ですが、インフラエンジニアのキャリアパスは多種多様です。
代表的なキャリアとしては、管理職になるというものと専門領域のスペシャリストを目指すというものです。
管理職になる場合、複数の専門家が集まるチームのまとめ役として、ITインフラの管理をする役割を担います。また、新卒や中途で入ってくる社員の教育等も行う必要があるため、とても重要なポジションとなります。
ただし、現場での実業務は減る傾向にあるので、自分が手を動かして働くのが好きという方は、管理職になるのを避ける傾向にあります。
一方で、スペシャリストに求められるのは、現場で働くための技術力です。IT業界は変化が激しいため、最新の技術や新しい分野への対応に迫られるケースも多く、こうした新しいことへの対応ができるエンジニアは重宝されます。
一般的なインフラエンジニアでは対応できない、ハイレベルな技術が求められます。常に業界や世の中の動向にアンテナを張り巡らせ、勉強しなければならないため、大変ではありますが、自己の成長を感じることができるため、やりがいがあり、スペシャリストを目指す方も少なくありません。
また、これまでのインフラエンジニアとしてのキャリアを活かして、ITコンサルタントとして活動する方もいらっしゃいます。顧客に対して、ITインフラに関するアドバイスやそこに関連した経営戦略支援を行います。こうした提案するためには、ITやインフラ周りの知識だけではなく、経営やマーケティング等のビジネスサイドの知識も必要となります。
なお、具体的に転職を検討される際はエンジニアに強い転職エージェントなどの利用も視野に入れると転職失敗のリスクが下がりますのでご検討ください。