着物は一般の服と違いそうそうお洗濯をするものでもありません。
そのため着終わった後にどのようにケアを行うかが重要となります。
着物を長持ちさせるも短命にさせるも着て脱いだ後の管理が重要となりますので、使い終わったらすぐに手入れをするようにしましょう。
①着物で帰宅したら
まず帰宅したら脱ぐ前に玄関先や入口の前で裾や袂を軽くはらい、ホコリを落としましょう。
手が汚れている可能性もありますので、手洗いもしっかり行ってから着物を脱ぎ始めるようにしましょう。
②着物を脱いでハンガーにかける
着物は脱いだらすぐに収納するのは止めておきましょう。
まずはハンガーにかけて、シワを伸ばし、湿気をとばします。
風通しのよい場所で半日~1日程度日陰干しにすると良いです。
着物に付属する帯等も同様にします。
湿気たまましまうとカビが生えてしまいますので、時間はかかりますがこの工程はしっかりやりましょう。
③シミ汚れがないか確認する
シミ汚れがつかないように気をつけるのは当然なのですが、汚れてしまうこともあります。
万が一汚れがある場合は早急に処置をすることで汚れが落ちやすくなりますので、汚れがないか念入りにチェックしましょう。
特に汚れが付きやすい箇所は、襟元、胸元、袖口、身ごろの4カ所となります。
襟元は主に汗が付きやすい部分となります。
胸元・身ごろは食べ物のカスやシミがつきますので、注意しましょう。
袖口もテーブル等につきやすいので、汚れも付きやすいので注意してみましょう。
④汚れがあったらベンジン
染み抜きにはベンジンということを良く聞きますが着物でも使えます。
襟の汗ジミや皮脂汚れはタオルを敷き、ガーゼにベンジンをつけてたたいて汚れを落としましょう。
生地が傷んだり、生地の繊維の中に汚れが入り込むと厄介なので、こすったりしてはいけません。あくまでポンポンたたくイメージが良いです。
色落ちにも注意しましょう。
⑤洗えるものはお洗濯でOK
洗えるものは、洗濯ネットに入れてドライでお洗濯をしましょう。ものによっては手洗いが良い場合もあります。
特に汚れやすい袖口や裾に関しては、洗剤をつけてつまみ洗いをすると良いです。
⑥最後はアイロンをかけて収納
ハンガーにかけておくとだいたいシワは取れますが、それでも取れないシワはアイロンでとります。
あて布を使用し裏側から軽くかけるようにしましょう。
注意点としてはスチームは使わないことです。
収納に関しては、正しいたたみ方をしないとシワになってしまいます。
長方形になるようにしっかり折り目正しくたたみましょう。
収納する際は湿気に気をつける必要がありますので、桐のタンスや衣装箱にしっかり収納しましょう。
一般的なプラスチック製の収納箱だと湿気てカビが生えたりするのでくれぐれも収納には気をつかいましょう。
着物収納のポイント:桐箱、桐ダンスにしまう
上記でカビが生えないように等注意点を書きましたがもう少し詳しく見ていきましょう。
着物や帯は防湿性と防虫効果のある桐製のタンスや衣装箱が良いことは上の項目で少し記載しました。
理想としては、段の浅い着物専用のタンスにしまうのがベストですが着物専用の桐ダンスが無い場合、洋服用のタンスでも構いません。
洋服用のタンスにしまう場合、虫がつきやすいウールの衣類とは別にするようにし、湿気が少ない上の段を使うようにしましょう。
1枚ずつたとう紙で包む
たとう紙は着物を包む和紙製の包み紙です。
たとう紙は、通気性が良いのが特徴で湿気を防ぐとともに型崩れ防止にもなります。
ただ、長期間包んでおくと逆に湿気を含んでカビになってしまうこともありますので、古くなったら取り換えましょう。
小物の収納について
帯締めや帯揚げなどはプラスチック製の収納ボックスでも大丈夫です。
ただ、これも湿気がたまるとよくありませんので、たまに空気の入れ替えをしてあげましょう。
着物は1年に1回くらいは虫干しする
1年に1回は天気が良い日にタンスにしまっていた着物類を虫干し湿気を払いましょう。
虫干しした後は着物用の防虫剤を入れて再び収納しましょう。
着物の買取価値は保存状態の良し悪しで変わる
本サイトでは着物の買取について解説しているので、最後に買取目線で着物の保存の大切さを記載しておきます。
着物の買取査定時に買取価格が安くなってしまう原因として、収納がきちんとできておらず、シワができてしまっていたりカビが生えてしまっていたりするケースです。
せっかくの有名産地の着物や作家物の着物であっても、着物の状態が悪いと価格がぐっと安くなってしまいます。
売るためだけにきちんと保存をしましょうということではないのですが、着物を長持ちさせるためにも、また、最終的に着物を売る方も多いので、どうせなら着物をしっかり保存しておいた方が良く、損もないので多少面倒でもしっかり丁寧に収納するようにしましょう。