山形県で着物を少しでも高く売りたいとお考えの方向けの買取ガイド

山形県の着物と言えば置賜紬が有名ですね。
置賜紬は山形県で作られる紬の総称で、それぞれの地域(山形県米沢市、長井市、白鷹町等)により個性があります。

長井紬、米沢紬、白鷹紬、紅花紬とそれぞれの名称がつけられていますが、これらの地域が置賜地方と呼ばれていたことから総称して置賜紬と呼ばれるようになりました。

そんな紬が有名な山形における買取情報について見ていきましょう。少しでも高く売りたい方はぜひご参考ください。

着物買取の基本知識

着物の種類とその価値

着物の価値は、その種類、状態、作家の知名度、市場での需要によって異なります。以下に主な着物の種類を紹介します:

  1. 訪問着:公式な場や式典で着用される華やかな着物。色鮮やかで多くの場面で使えるため、需要が高いです。
  2. 振袖:成人式や結婚式で未婚女性が着る、袖が長い豪華な着物。華やかさと美しさから高い価値がつきます。
  3. 留袖:既婚女性が着用する格式の高い着物で、黒留袖と色留袖があります。特に黒留袖はフォーマルな場で重宝されます。
  4. 小紋:カジュアルな場で着る、小さな柄が全体に広がる着物。普段使いにも適しているため人気です。
  5. :手織りの絹織物で、普段着として人気のある着物。特に地域ごとの特色が強いものが多いです。

着物の状態と査定額

着物の状態は査定額に大きく影響します。以下のポイントを確認しましょう:

  1. シミや汚れ:シミや汚れがあると査定額が下がることがあります。無理にクリーニングに出さずに、そのまま査定に出しましょう。
  2. 破れや擦れ:生地の破れや擦れが査定額に影響します。事前に状態を確認しておきましょう。
  3. 保管状態:湿気や虫食いの被害を防ぐため、風通しの良い場所で保管しましょう。

著名な着物作家

作家物の着物は高く評価されることが多く、特に著名な作家の作品は希少価値が高く、高額で取引されることがあります。以下に著名な着物作家を紹介します:

久保田一竹

久保田一竹(くぼた いっちく)は、「一竹辻が花」という独自の技法で知られる染色作家です。その作品は国内外で高い評価を受けています。

由水十久

由水十久(よしみず じっきゅう)は、友禅染の技法を駆使した作品で知られる作家です。精緻なデザインと美しい色使いが特徴です。

龍村平蔵

龍村平蔵(たつむら へいぞう)は、錦織の技術で知られる作家です。彼の作品は高い品質と芸術性を誇り、多くのコレクターに愛されています。

高く売るためのポイント

状態を整える

  1. 風を通す:陰干しをして風を通し、カビや臭いを防ぎます。特に長期間保管していた着物は、風通しをしてから査定に出すと良いでしょう。
  2. しわを防ぐ:しわがつかないように保管し、しわがある場合は陰干しして伸ばします。しわがない状態の方が査定額が高くなる傾向があります。
  3. 保管:湿気や虫害を防ぐため、風通しの良い場所で保管し、たとう紙などで包んでおくことが重要です。

付属品を揃える

帯や小物、証紙などの付属品が揃っていると、査定額がアップすることがあります。購入時に付属していたものはすべて揃えて査定に出しましょう。

時期を選ぶ

着物の需要は季節によって変動します。以下の時期に売ると、より高く売れる可能性があります:

  1. 新年や成人式の前:1月前後は成人式や新年の行事が多いため、着物の需要が高まります。
  2. 夏祭りや花火大会の前:夏祭りや花火大会のシーズンには、夏用の着物の需要が増えます。

複数の買取店で査定を受ける

複数の買取店に査定を依頼し、査定額を比較することが重要です。店ごとに査定額が異なることがあるため、相見積もりを取ることで最も高い査定額を得られる可能性が高まります。

信頼できる買取店を選ぶ

山形県内で信頼できる買取店を選ぶことも重要です。以下のポイントを参考に選びましょう:

  1. 口コミと評判:ネット上の口コミや評判を確認する際は、信憑性をよく見極めましょう。
  2. 買取実績:長い買取実績がある店舗は信頼性が高い傾向にあります。上場企業であれば、コンプライアンス意識が高く安心して利用できる可能性があります。
  3. 教育制度の有無:査定士が複数いる業者では、査定士の教育制度がしっかりしているかを確認しましょう。

山形県の地域別着物買取の特徴

山形市

山形市は、県庁所在地であり、商業施設や文化施設が多く集まっています。着物買取店の数も多く、出張査定や店舗査定の選択肢が豊富です。

米沢市

米沢市は、歴史的な街並みと観光地として有名な地域です。地域密着型の買取店が多く、観光客も多く訪れるため、親切な対応が期待できます。

鶴岡市

鶴岡市は、自然豊かな環境とともに、文化的なイベントが多く開催される地域です。着物買取店も多く、出張査定や宅配査定の利用が便利です。

酒田市

酒田市は、商業施設が多く集まる地域で、アクセスが良好です。地域密着型の買取店が多く、親切な対応が期待できます。

天童市

天童市は、将棋の駒で有名な地域で、伝統文化が色濃く残っています。地域密着型の買取店が多く、丁寧な対応が期待できます。

山形県での着物の買取方法

買取査定員

始めに山形での着物買取方法について見ておきたいと思います。

というのも、iタウンページで山形県内の買取業者を検索すると731件お店が存在しており、その数は結構多いことがわかります。ただ、これを着物買取に絞ると1件しか無く、ほとんど存在していないことがわかります(2023年5月25日に調べた時点での件数となります)。

731件もあったらそれはそれで選ぶのが大変ですが、一方で着物に絞ると1件しか無いという状況はほぼ選択肢がないということで、それも困ります。もちろんタウンページに掲載していないお店も多数あるので現実に1件しか無いわけではありませんが、それでもその数が少ないことはご理解頂けるかと思います。

そのため、お店に持っていく方法も含めた様々な買取方法を駆使することで、こうした選択肢の少なさをカバーしていく必要があります。

着物の買取査定の方法と特徴

  • 出張買取
    着物の買取業者の方があなたの自宅まで来て査定をしてくれる買取方法です。
    山形県内では上記で記載した通りお店が少ないので、県外からでも対応してくれる出張買取を利用するのは有りです。
    ただ、デメリットとしては、家に人が来るのはちょっと嫌だなという方には向かない方法となります。
  • 店舗への持ち込み買取
    あなたが山形県内にある買取店に着物を持ち込んで査定を依頼する方法です。
    着物は重いので持ち運びが面倒という側面はありますが、持込買取が良いという人は今でも一定以上いらっしゃいます。
    ただし、記載の通りお店の数が減少傾向なのはネックでしょう。
  • 宅配買取
    宅配で着物を送り、査定してもらう方法です。山形県に限らずどこからでも利用できるのが良い点です。
    昨今は社会情勢の影響から利用者が増えたほか、無料宅配キットを用意してくれている業者も増えたので利用しやすくなっています。
    人に合わずに買取が完結させられ、楽なので一定の人気があります。ただ、買取をキャンセルする際に返送料がかかるので注意が必要です。

着物の買取方法は以上となります。

なお、昨今はフリマアプリを利用されるケースもありますが、慣れている方や着物に関する知識が豊富なケースは問題無いと思いますが、慣れていないケースでは注意事項もありトラブルリスクもあるのでここではフリマアプリの利用は想定しておりません。ご了承ください。利用を検討している方は着物を売るのにメルカリと買取店どっちがいい?などもご参考ください。

 

山形県の着物:置賜紬の買取相場について

冒頭にも触れましたが、山形と言えば置賜紬です。各地域ごとの名称がつけられているということも最初に記載しましたね。
最後に、置賜紬それぞれについてと置賜紬の買取相場について簡単に見ておきたいと思います。

米沢紬の特徴と買取相場について

米沢紬は山形県米沢地方で織られている絹織物です。
江戸中期に米沢藩主の上杉鷹山が奨励し、商品化されました。

その他の地域(長井や白鷹等)でも織られていたのですが、米沢の問屋を中心に取り扱っていたことから、米沢紬と呼ばれるようになります。

そんな米沢紬の買取相場ですが、5000円~2万円程度と想定されます。
もちろん着物の状態などにもよりますので一概に価格は出せないのですが、状態が良い物であればこの範囲に収まる傾向があるように感じます。

ただ、着物は難しいので、査定をしてもらう際はしっかり知識のある方にみてもらいましょう。

長井紬の特徴と買取相場

長井紬は経糸に生糸、緯糸に真綿から手紡ぎした紬糸を用いて作られます。

絣柄は横総絣の大柄が主流で、麻の葉や亀甲など、古典模様が多くみられるのが特徴です。

長井紬の買取相場についてですが、こちらも5千円~2万円前後と考えられます。
人気もあるので、それなりの金額が付くケースは多いです。

こちらも一概にいくらとは言えない部分も多いのでちゃんと着物の知識がある方に見てもらいましょう。

紅花紬の特徴と買取相場について

山形県の特産である最上紅(紅花)で糸染めした紬です。華やかな色合いが特徴ですね。
最上紅は室町時代から盛んに栽培されてきたもので、江戸時代には最上紅花としてよく知られていました。
京都の紅染めの原料としても使われていたものです。

明治時代になると中国やインドから大量の紅花が輸入されるようになり、次第に化学染料が普及したことから下火になりますが、戦後に新田秀次さんという方が頑張り、最上花は再び復活することとなります。

そんな紅花紬は現在でもとても人気があり、高値での買取が期待できます。

伝統工芸品として指定されている紅花紬ですが、一般的なものですと高くて1万円~3万円程度で買取される傾向にあります。
もちろん状態が良いという条件はつきますが、紬の中でも高額買取が期待できるものの一つです。

作家物の紅花紬となると、数万円から10万円くらいの買取額も期待できるものとなります。

ただ、他の着物と同様に、着物そのものの状態によっても買取価格は変わってきますので、一概に相場通りとはいきません。

そのためこちらもその他の着物同様に、しっかり価値のわかる買取店に見てもらう必要があります。

山形から着物文化を発信


参考:https://team.nipponia.or.jp/news_release/1404/

養蚕・織物業で栄えた白鷹地域に関しては冒頭にも記載しましたが、当該地域で着物をテーマにした空間を作り、地域の魅力を発信していく取り組みがあります。

老舗呉服店が古民家を活かし、山形県内の旅館等と協力して着物の世界をテーマにしたホテル(着物のリトリートホテル)開業といった動きなどもあり、着物界隈が少し盛り上がるかもしれない動きがあります。

宿泊だけでなく、着物文化や白鷹町の文化や生活など、地域ならではのプログラムを展開していく予定となっており、着物に限らず伝統工芸の体験ができるような感じになっています。

こうした取り組みはぜひとも支援していきたいと思うところです。
ご興味のおありの方はぜひ調べてみてください。

まとめ

山形県で着物買取を検討している方々に向けて、買取のポイントと高く売るためのコツを詳しく解説しました。着物の価値を最大限に引き出すためには、以下の点が重要です。

  1. 状態を整える:風を通し、しわを防ぎ、湿気や虫害を防ぐために適切に保管しましょう。
  2. 付属品を揃える:帯や小物、証紙などの付属品を揃えて査定に出すと査定額がアップします。
  3. 時期を選ぶ:新年や成人式の前、夏祭りや花火大会の前など、需要が高まる時期に売ると良いでしょう。
  4. 複数の買取店で査定を受ける:複数の買取店に査定を依頼し、最も高い査定額を選びましょう。
  5. 信頼できる買取店を選ぶ:口コミや評判、買取実績、査定士の教育制度などを確認し、信頼できる買取店を選びましょう。

山形市や米沢市、鶴岡市など、地域ごとの特徴を踏まえて買取店を選び、満足のいく買取を実現しましょう。この記事が、皆さんの着物買取の参考になれば幸いです。

参考文献

  1. 山形県観光
  2. 日本文化財保護協会
  3. 久保田一竹美術館
  4. 友禅染協会
  5. 龍村美術織物