着物は日本の伝統的な衣装であり、その美しさと文化的価値から多くの人々に愛されています。使わなくなった着物をどうするか迷っている方には、買取を検討するのも一つの方法です。この記事では、北海道で着物買取を考えている方へ、少しでも高く売るためのポイントを詳しくご紹介します。
着物買取の基本知識
着物の種類とその価値
着物の価値は、その種類、状態、作家の知名度、市場での需要によって異なります。以下に主な着物の種類を紹介します:
- 訪問着:公式な場や式典で着用される華やかな着物。色鮮やかで多くの場面で使えるため、需要が高いです。
- 振袖:成人式や結婚式で未婚女性が着る、袖が長い豪華な着物。華やかさと美しさから高い価値がつきます。
- 留袖:既婚女性が着用する格式の高い着物で、黒留袖と色留袖があります。特に黒留袖はフォーマルな場で重宝されます。
- 小紋:カジュアルな場で着る、小さな柄が全体に広がる着物。普段使いにも適しているため人気です。
- 紬:手織りの絹織物で、普段着として人気のある着物。特に地域ごとの特色が強いものが多いです。
着物の状態と査定額
着物の状態は査定額に大きく影響します。以下のポイントを確認しましょう:
- シミや汚れ:シミや汚れがあると査定額が下がることがあります。無理にクリーニングに出さずに、そのまま査定に出しましょう。
- 破れや擦れ:生地の破れや擦れが査定額に影響します。事前に状態を確認しておきましょう。
- 保管状態:湿気や虫食いの被害を防ぐため、風通しの良い場所で保管しましょう。
着物の買取方法
着物買取方法は主に以下の3つのパターンがあります。
後半の方で記載していますが、県内にはそれほど着物に対応した買取店が多く無いことから様々な買取方法を駆使してお店を探す必要性があり、まず初めに買取方法について知っておいてもらいたいということとなります。
出張買取
あなたのご自宅に査定士の方が来て買取してくれる方法です。
自宅から一歩も出る必要がなく、楽に査定が完了するのが良い点です。
部屋の中まであがって欲しくないケースでは、業者により玄関先でも対応してくれます。
買取側、売る側双方にメリットが大きい買取方法なので近年最も主流な買取方法となっていますが、そもそも自宅に他人を入れたくないケースでは向かない方法です。
宅配買取
ダンボール等に着物を梱包して業者に送って査定してもらう方法です。
梱包キットを用意してくれている買取店の場合は楽ですが、梱包の手間は多少かかります。ただ、人に合わずに買取を完結させられるので昨今利用者は多いです。
難点は買取をキャンセルしようと思った際は返送してもらう必要があり、その際に返送料がかかってしまうことがあげられます。
持込買取
お店に直接あなた自身が着物を持ち込んで査定してもらう方法です。
オーソドックスな方法ですが、近年は店舗の減少もあり、持込し難くなってきています。
著名な着物作家
作家物の着物は高く評価されることが多く、特に著名な作家の作品は希少価値が高く、高額で取引されることがあります。以下に実在する著名な着物作家を紹介します:
久保田一竹
久保田一竹(くぼた いっちく)は、「一竹辻が花」という独自の技法で知られる染色作家です。その作品は国内外で高い評価を受けています。
由水十久
由水十久(よしみず じっきゅう)は、友禅染の技法を駆使した作品で知られる作家です。精緻なデザインと美しい色使いが特徴です。
龍村平蔵
龍村平蔵(たつむら へいぞう)は、錦織の技術で知られる作家です。彼の作品は高い品質と芸術性を誇り、多くのコレクターに愛されています。
高く売るためのポイント
状態を整える
- 風を通す:陰干しをして風を通し、カビや臭いを防ぎます。特に長期間保管していた着物は、風通しをしてから査定に出すと良いでしょう。
- しわを防ぐ:しわがつかないように保管し、しわがある場合は陰干しして伸ばします。しわがない状態の方が査定額が高くなる傾向があります。
- 保管:湿気や虫害を防ぐため、風通しの良い場所で保管し、たとう紙などで包んでおくことが重要です。
付属品を揃える
帯や小物、証紙などの付属品が揃っていると、査定額がアップすることがあります。購入時に付属していたものはすべて揃えて査定に出しましょう。
時期を選ぶ
着物の需要は季節によって変動します。以下の時期に売ると、より高く売れる可能性があります:
- 新年や成人式の前:1月前後は成人式や新年の行事が多いため、着物の需要が高まります。
- 夏祭りや花火大会の前:夏祭りや花火大会のシーズンには、夏用の着物の需要が増えます。
複数の買取店で査定を受ける
複数の買取店に査定を依頼し、査定額を比較することが重要です。店ごとに査定額が異なることがあるため、相見積もりを取ることで最も高い査定額を得られる可能性が高まります。
信頼できる買取店を選ぶ
北海道内で信頼できる買取店を選ぶことも重要です。以下のポイントを参考に選びましょう:
- 口コミと評判:ネット上の口コミや評判を確認する際は、信憑性をよく見極めましょう。
- 買取実績:長い買取実績がある店舗は信頼性が高い傾向にあります。上場企業であれば、コンプライアンス意識が高く安心して利用できる可能性があります。
- 教育制度の有無:査定士が複数いる業者では、査定士の教育制度がしっかりしているかを確認しましょう。
北海道の地域別着物買取の特徴
札幌市
札幌市は、道庁所在地であり、商業施設や文化施設が多く集まっています。着物買取店の数も多く、出張査定や店舗査定の選択肢が豊富です。
函館市
函館市は、歴史的な街並みと観光地としての魅力があり、観光客向けの着物レンタル店も多く、着物の需要が高い地域です。
旭川市
旭川市は、自然豊かな地域で、地元の伝統文化が根付いています。地域密着型の買取店が多く、親切な対応が期待できます。
苫小牧市
苫小牧市は、商業施設が多く集まる地域で、アクセスが良好です。着物買取店も多く、出張査定や宅配査定の利用が便利です。
帯広市
帯広市は、農業と観光が盛んな地域で、地元のイベントや祭りが多く、着物の需要が高まる時期があります。地域密着型の買取店が多いです。
北海道の着物の優佳良織の買取相場と特徴
優佳良織は北海道旭川市の木内綾が創始者で、北海道独自の自然を表現している織物です。
海外からの評価も高く、その価値は高いと言ってよいでしょう。
買取相場については残念ながら一定のこの金額感というのは非常に出し難いものとなります。
優佳良織の帯が4万円で買取されたこともありますが、数千円というものもあり、それほど買取市場に出回るものでもないというのと、生産工程も手間暇かけられているので相場というものが無い状態です。
なお、着物や帯の他、様々なファッションアイテムにも利用されています。
着物や帯などに関しては、着物の買取に精通している業者の方に見てもらい、価値判定してもらう必要があります。
逆に一般的なリサイクルショップですとなかなか価値判断が難しく適正価格がつかないケースも多いのでご注意ください。
北海道の着物買取店を地図で見る
北海道は広域にわたるため見難いかもしれませんが以下よりご確認ください。
なお、本ページで紹介しているおすすめの買取店は出張買取になりますので以下の地図内には入っておりませんのでご注意ください。
北海道の着物・呉服関連店の数と買取方法・買取金額の関係について
当社のアンケートでも買取店を選ぶ基準として買取金額の高さを基準として選ばれる方は多くなっています。
しかし、一方で買取方法は持込買取(限定)が良いという方が多い傾向です。
買取金額の相場は着物そのものの需要と選択肢の豊富さにも大きく関係してくることから、ここでは着物店やその数と買取金額について見てみたいと思います。
札幌市を中心に着物店・買取店が集中している
こちらは北海道の地域別の着物・呉服を取り扱うお店の件数となります。
特定の地域というところで見ると、札幌市に店舗が集まっており(97件)、その他の市町村に点在している形となっています。
※その他地域の件数が多いのは北海道には郡(町村)の数が多くそれら全て調査するのが困難だったことからまとめての記載としたため。
※PR
北海道の市町村 | 着物店件数 |
---|---|
札幌市 | 97 |
釧路市 | 14 |
函館市 | 17 |
小樽市 | 11 |
室蘭市 | 9 |
旭川市 | 23 |
帯広市 | 13 |
北見市 | 14 |
夕張市 | 2 |
岩見沢市 | 8 |
網走市 | 4 |
留萌市 | 1 |
苫小牧市 | 16 |
稚内市 | 0 |
美唄市 | 3 |
芦別市 | 2 |
江別市 | 4 |
赤平市 | 0 |
紋別市 | 0 |
士別市 | 3 |
名寄市 | 3 |
三笠市 | 0 |
根室市 | 0 |
千歳市 | 3 |
滝川市 | 6 |
砂川市 | 3 |
歌志内市 | 0 |
深川市 | 2 |
富良野市 | 3 |
登別市 | 2 |
恵庭市 | 4 |
伊達市 | 1 |
北広島市 | 1 |
石狩市 | 0 |
北斗市 | 3 |
北海道その他 | 123 |
北海道全域 | 395 |
一方で、着物も取り扱う買取店の件数を見てみると、北海道全域でも21件で、一番多い札幌で12件という形になっています。
ここの数字からわかる通り、着物を取り扱う呉服店はまだ多いので一定の需要がありますが、買取店の数(店舗がある)というところで見ると非常に件数が少ないことがわかります。
これが何を意味するかと言うと、現時点で着物の需要は一定度以上ある一方で、買取店の数(選択肢)が少ないことから安く買いたたかれるリスクは比較的高いというところになります。
悪質かどうかという問題ではなく、店舗の数が少ないので持込に限定すれば買取金額の競争は起こり難いので結構安い金額が呈示されることもあるでしょう。
ただ、これらはあくまで店舗に持ち込んだ場合のケースです。
昨今買取の主流はネット買取(出張買取・宅配買取)であり、これらの利用者あるいは認知度が増えてくれば、地域にとらわれずに買取業者が選択できるため、安く買い取られるというリスクが回避しやすくなります。
北海道全域 | 21 |
札幌市 | 12 |
旭川市 | 1 |
函館市 | 1 |
苫小牧市 | 0 |
現状、着物の買取を依頼される方が比較的ご高齢の方が多いので、どうしても新しい方法というものに目が行きにくく、昔ながらの買取店やお世話になっている着物店等しか利用しない傾向にあるため、こうしたところが改善されてくれば、買取金額の満足度というものもあがってくるものと考えられます。
※iタウンページ掲載の北海道の着物関連店の数と総務省統計局経済センサス等のデータ・数値を引用し集計して使用しています(2021年7月時点)。
まとめ
北海道で着物買取を検討している方々に向けて、買取のポイントと高く売るためのコツを詳しく解説しました。着物の価値を最大限に引き出すためには、以下の点が重要です。
- 状態を整える:風を通し、しわを防ぎ、湿気や虫害を防ぐために適切に保管しましょう。
- 付属品を揃える:帯や小物、証紙などの付属品を揃えて査定に出すと査定額がアップします。
- 時期を選ぶ:新年や成人式の前、夏祭りや花火大会の前など、需要が高まる時期に売ると良いでしょう。
- 複数の買取店で査定を受ける:複数の買取店に査定を依頼し、最も高い査定額を選びましょう。
- 信頼できる買取店を選ぶ:口コミや評判、買取実績、査定士の教育制度などを確認し、信頼できる買取店を選びましょう。
札幌市や函館市、旭川市など、地域ごとの特徴を踏まえて買取店を選び、満足のいく買取を実現しましょう。この記事が、皆さんの着物買取の参考になれば幸いです。