訪問着とは?~絵羽模様が基本の社交着で既婚・未婚問わない着物~【着物の種類と買取⑤】

社交着としてうまれた色彩豊かな準礼装です。

色留袖の次にフォーマルなもので、お洒落要素を含ませたものが訪問着です。

明治時代には訪問服と呼ばれていたもので、文字通り訪問用の着物です。

大正時代では、総柄模様や江戸褄と呼ばれる裾模様の着物が定番で既婚・未婚問わずに着られる礼装として使われていました。

昔は公式の訪問用の着物として使われていたので、三つ紋をつけていましたが、今は一つ紋あるいは紋を入れずに仕立てることも多くなっています。
現代では、柄付けによって式典から披露宴、パーティー、お茶会まで幅広く使われており、合わせる帯や小物によりフォーマル度合いが変わってきます。

需要が高く買取市場でも比較的高値で売れる傾向です。

生地と柄模様について

縮緬、綸子、緞子、羽二重、紬等の生地に様々な模様をあしらいます。

肩、袖、裾に絵羽模様をほどこしたものが一般的ですが、全体的に模様をおいたものまで多種多様なものがあります。
現代風のモダンなものから古典的な模様まで幅広く楽しむことが出来ます。

帯・帯揚げ・帯締め

どのような場面かによりますが、正式な場にいくようなときは、袋帯を、パーティーなどの華やかな場所ではそれに合わせた織りの名古屋帯やしゃれ袋帯を使用することもあります。

淡色の絞りの礼装用の帯揚げに、着物に合わせた帯締め、柄色に金・銀があると格式高い装いになります。

長襦袢・襟

着物に合わせて色を選んでも大丈夫ですが、格調高く装う場合は、白を基調とした小物で合わせて白や淡色の長襦袢を使用します。

襟は白半襟、華やかな場では刺繍を使った半襟を合わせても良いでしょう。
だて襟をする場合は、白か色か、用途・場面に合わせて使い分けましょう。

小物(バッグ・扇子・足袋・草履)

特に決まりはありませんが、礼装用のセンスをさしてもいいです。
モダンな柄の訪問着では、ドレスバッグ等を使用しても大丈夫です。

足袋に関しては必ず白足袋にしましょう。
草履は鼻緒と台を同素材にすることで格調高くなりますが、略式では鼻緒が違うものも大丈夫です。

その他知っておくべきこと

華やかなパーティーに着ていくケースでは、指輪やネイル、ピアスも問題ありませんが、正式な場では、他の格の高い着物と同様結婚指輪以外はつけないのが一般的です。

紋に関しては、冒頭で記載した通り、現代では無紋のままで準礼装となります。

一つ紋(染め抜き日向一つ紋)で格が上がりますが、ぬい紋の場合格に変わりはありません。

訪問着の買取相場

絹の訪問着であれば状態が悪くなければ1万円程度で売れる傾向にはあるでしょう。

作家物の訪問着となると数十万円等いきますが、一般的に家庭にある着物で売りに出されるようなものの場合、5千円程度~3万円以内が相場です。
1万円であればそれなりに良い値段で売れたと考えて良いかと思いますが、ものによるため、必ず着物専門の買取サービスに依頼するようにしましょう。